ランド円レポート月曜版(2019年9月30日)

同国の抱える根本的な景気、財政の問題を考えると買われたところは売りという流れになりやすいはずです。

ランド円レポート月曜版(2019年9月30日)

ランド円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、テクニカルに下げ方向への転換を考え「7.05レベルをサポートに7.35レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.09レベル、高値が7.26レベルと予想よりも狭い値幅ではあったものの下降トレンドへの転換を確認した週となりました。

先週のランド円は、材料的には火曜が休場、木曜のPPIもやや弱かったものの想定内の数字とあまり目立ったものはありませんでしたが、週末に大規模ストライキの予定もあって上値が抑えられやすい流れでした。また米中間の通商協議にも特段取り上げるようなものも無かったため、どちらかというとテクニカルな面に目が行きやすかったと考えらえます。


そして、そのテクニカルは冒頭に書いた通りで3週前に高値をつけ先々週に下降トレンドへと転換の動きとなり、そのトレンドが先週は確認されたという流れです。テクニカルについては後段で改めて解説します。

今週の南ア関連の材料は月曜に貿易収支(予想は黒字転換)、1日には製造業PMI(予想なし)が比較的重要な材料です。貿易収支はブレも大きいのですが、予想に反して前月同様赤字となった場合にはランド売り要因とされやすいでしょう。

また1日の製造業PMIは予想はありませんが、最近では50をやや下回ることが多くなっています。前月の45.7を下回るような数字だと連続しての悪化となり、こちらもランド売りにつながるでしょう。もちろん、どちらも強い数字であればランド買いとなりますが、同国の抱える根本的な景気、財政の問題を考えると買われたところは売りという流れになりやすいはずです。

金曜には米国雇用統計と米国貿易収支の発表があります。ドル円の参加者は雇用統計に一時的に反応する傾向がありますが、10月の米中通商協議に向けて対中貿易赤字がどのような状態なのかは気になるところです。思ったほど減っていない、全体的な割合が増えているといった内容であれば、中国に対する圧力が増えるでしょうし、トランプ大統領も何かひとこと言ってくるでしょう。中国を最大の貿易国とする南アフリカにとっては、もっとも気になる経済指標かもしれません。

今週も材料的には驚くようなものは無いのですが、与党ANCが最高執行会議を開催中です。エスコム支援のことについても話していて、現時点ではエスコムの負債額は南アのGDPの9%にも達しており、同国の経済と財政に大きなリスクがあると説明されています。今後のムーディーズの格付け判断にも影響が出てくると思われますが、その他の非効率な国営企業に対しては政府の補助金を廃止すると述べています。

ポジティブな話としては、産業戦略の見直し、インフラ基金の活用、スムーズなビジネス支援、起業家のサポート、財政の早期回復などに言及していますが、どれもこれまでに進められてきた目標の再確認という範疇を出ているとは思えません。月曜の海外市場の時間帯にも何か出てくる可能性はあるものの、大きな期待はできそうもありません。


次にテクニカルです。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。

ランド円レポート月曜版

4時間足(上からランド円、ドルランド、ドル円)

3週間前の高値7.45をピークに高値を切り下げる展開となっています。テクニカルには8月安値6.76とこの7.45とのフィボナッチ・リトレースメントを考えることとなりますが、既に半値押しを達成し、現在は61.8%押しの7.03(同水準は9月4日に大きく上抜けた水準とも重なります)、そしてそのすぐ下には心理的な節目となる大台の7.0円があります。

まだ、下降チャンネルを想定するには時間経過が足りないのですが、今週も下げる動きとなれば当面は上げにくい流れとなりそうです。今週は下げを継続する流れを考え、大台7.00レベルをサポートに7.25レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

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