ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、テクニカルに下げ方向への転換を考え「7.05レベルをサポートに7.35レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.09レベル、高値が7.26レベルと予想よりも狭い値幅ではあったものの下降トレンドへの転換を確認した週となりました。
先週のランド円は、材料的には火曜が休場、木曜のPPIもやや弱かったものの想定内の数字とあまり目立ったものはありませんでしたが、週末に大規模ストライキの予定もあって上値が抑えられやすい流れでした。また米中間の通商協議にも特段取り上げるようなものも無かったため、どちらかというとテクニカルな面に目が行きやすかったと考えらえます。
そして、そのテクニカルは冒頭に書いた通りで3週前に高値をつけ先々週に下降トレンドへと転換の動きとなり、そのトレンドが先週は確認されたという流れです。テクニカルについては後段で改めて解説します。
今週の南ア関連の材料は月曜に貿易収支(予想は黒字転換)、1日には製造業PMI(予想なし)が比較的重要な材料です。貿易収支はブレも大きいのですが、予想に反して前月同様赤字となった場合にはランド売り要因とされやすいでしょう。
また1日の製造業PMIは予想はありませんが、最近では50をやや下回ることが多くなっています。前月の45.7を下回るような数字だと連続しての悪化となり、こちらもランド売りにつながるでしょう。もちろん、どちらも強い数字であればランド買いとなりますが、同国の抱える根本的な景気、財政の問題を考えると買われたところは売りという流れになりやすいはずです。
金曜には米国雇用統計と米国貿易収支の発表があります。ドル円の参加者は雇用統計に一時的に反応する傾向がありますが、10月の米中通商協議に向けて対中貿易赤字がどのような状態なのかは気になるところです。思ったほど減っていない、全体的な割合が増えているといった内容であれば、中国に対する圧力が増えるでしょうし、トランプ大統領も何かひとこと言ってくるでしょう。中国を最大の貿易国とする南アフリカにとっては、もっとも気になる経済指標かもしれません。
今週も材料的には驚くようなものは無いのですが、与党ANCが最高執行会議を開催中です。エスコム支援のことについても話していて、現時点ではエスコムの負債額は南アのGDPの9%にも達しており、同国の経済と財政に大きなリスクがあると説明されています。今後のムーディーズの格付け判断にも影響が出てくると思われますが、その他の非効率な国営企業に対しては政府の補助金を廃止すると述べています。
ポジティブな話としては、産業戦略の見直し、インフラ基金の活用、スムーズなビジネス支援、起業家のサポート、財政の早期回復などに言及していますが、どれもこれまでに進められてきた目標の再確認という範疇を出ているとは思えません。月曜の海外市場の時間帯にも何か出てくる可能性はあるものの、大きな期待はできそうもありません。
次にテクニカルです。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
4時間足(上からランド円、ドルランド、ドル円)
3週間前の高値7.45をピークに高値を切り下げる展開となっています。テクニカルには8月安値6.76とこの7.45とのフィボナッチ・リトレースメントを考えることとなりますが、既に半値押しを達成し、現在は61.8%押しの7.03(同水準は9月4日に大きく上抜けた水準とも重なります)、そしてそのすぐ下には心理的な節目となる大台の7.0円があります。
まだ、下降チャンネルを想定するには時間経過が足りないのですが、今週も下げる動きとなれば当面は上げにくい流れとなりそうです。今週は下げを継続する流れを考え、大台7.00レベルをサポートに7.25レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
豪ドルWeekly 100円を挟んだもみ合い、CPIで早期の利下げ観測が強まる可能性も(24/11/22)
今週の豪ドルは、豪準備銀行(RBA)が公表した理事会要旨でタカ派姿勢が確認されたものの、買いは続かず、100円水準を挟んだ小動きの相場展開が続いた。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2019.10.05
南アランド週報 『心理的節目7円を一時割り込むも米中通商協議を前に下げ渋る展開』(19/10/5)
南アフリカランド・円相場は、9/13に記録した高値7.459円をトップに反落に転じると、今週半ばにかけて、約1ヵ月ぶり安値となる6.983円まで下落しました。こ
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2019.09.28
南アランド週報 『大規模ストライキや米中を巡る先行き不透明感が南アランドの重石』(19/9/28)
南アフリカランド・円相場は、9/13に記録した高値7.459円をトップに反落に転じると、週末にかけて、約3週間ぶり安値となる7.097円まで下落しました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。