心理的節目7円を一時割り込むも米中通商協議を前に下げ渋る展開
今週のレビュー(9/30−10/4)
今週の南アフリカランド・円(ZARJPY)相場は、週初に発表された南ア・8月貿易収支(結果68億ランド、予想12億ランド)が市場予想を上回り、約10ヵ月ぶりに黒字転したことが好感されると、翌10/1に高値となる7.161円まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線や同基準線、同雲下限が密集する7.10−7.20ゾーンを抜けきれず失速すると、米国ファンダメンタルズの悪化(ISM製造業景況指数、ADP雇用統計が軒並み冴えない結果となったこと)や、南ア・製造業PMIの落ち込みがリスク回避ムードをもたらし、週央にかけて、約1ヵ月ぶり安値となる6.983円まで下げ幅を広げました。もっとも、心理的節目7.00付近では押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、トランプ米大統領が来週の米中閣僚級通商協議に前向きな姿勢を示したこと等も支援材料となり、南アランドは引けにかけて反発。結局、7.103円付近まで持ち直しての越週となっております。
来週の見通し(10/7−10/11)
南アフリカランド・円相場は、9/13に記録した高値7.459円をトップに反落に転じると、今週半ばにかけて、約1ヵ月ぶり安値となる6.983円まで下落しました。この間、@一目均衡表雲転換線及び基準線、A一目均衡表雲上限・下限を共に下抜けするなど、テクニカル的にみて、下落リスクが強く意識されるチャート形状となりつつあります。同水準を維持できれば、来週後半には一目均衡表遅行線がローソク足を下抜け、強い売りシグナルを表す「三役逆転」の点灯も視野に入ります。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る減速懸念や、A国営電力会社エスコムの負債問題、B米中対立激化を通じた南アフリカ最大の貿易相手国「中国」の景気下触れ懸念、C大手格付け機関の中で唯一投資適格級を付与しているムーディーズによる格下げリスク(※定例格付け見直しは11/1に実施予定)など、不安材料は山積みです。来週は10/10ー10/11に開催される米中閣僚級通商協議に注目が集まります。交渉決裂となれば、南アフリカランドが一段と売り込まれるシナリオも想定されます。事実トランプ米大統領は10/3、「私は中国に対し多くの選択肢を提示できるが、中国が米国の要望に応じないのであれば、われわれには多大な力ある」と中国側を牽制する一幕が見られました。
以上の通り、南アフリカランド・円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが強く意識されます。10/9に予定されている南ア・9月SAACCI景況感指数や、10/10の南ア・8月製造業生産高が市場予想を大幅に下回る冴えない結果となれば、11/1に公表される格付け見直しを前にネガティブムードが広がる可能性もあります。来週は、南アフリカ経済指標の結果や、米中交渉の進展度合いを睨みながらも、上値の重い展開が続くと予想いたします。
来週の予想レンジ ZARJPY 6.850ー7.250
南アランド円日足
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