トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、テクニカルに引き続き上昇傾向を続け「18.50レベルをサポートに19.25レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.69レベル、高値が19.11レベルと予想よりも狭い値幅ではあったものの材料の割には底堅い展開となりました。
先週のトルコリラ円は、週初はサウジアラビア産油施設へのテロ攻撃を嫌気したリスクオフの動きから週末終値の19.00レベルから、18.73レベルへとギャップダウンしてのスタートとなりましたが、その後はサウジアラビアの現状復帰が予定よりも早く進むとの見通しから徐々に前週末水準へと回復しました。18日には前週高値に並ぶ19.11をつけたものの抜けられず、その後は利食い売りと週末の中国代表団早期帰国を嫌気した円買いの動きに週間安値を若干更新しての週末クローズとなりました。
先週初のサウジアラビアへの攻撃ですが、イエメンで活動する親イラン派のテロ組織が犯行声明を出しており、米国は裏にいるのはイランであると決め、イランへの過去最大の制裁を行うと発表しました。いまのところ軍事行動はとらず、イラン中銀への制裁程度に留まっているようですが、タンカー攻撃から始まり今回のサウジアラビアの件と言い、中東の緊張がこれまで以上に高まっていることは確かです。
サウジ産油施設への攻撃も無人のドローンによる攻撃だったことを考えると、テロ組織のとっては以前に比べるとはるかに低コストでの破壊活動ができ、全く油断できない状況にあると思いますし、先週の短期間にリスクオフから巻き返しという動きも、個人的には楽観的過ぎるような気がしています。今後もトルコだけでなく周辺国、特にイランの動きには注意が必要です。
さて、今週ですがトルコも先々週の中銀利下げで大きなイベントが終わった感はありますが、今週はニューヨークの国連総会に合わせて、トランプ・エルドアン首脳会談が行われる予定となっています。事前の電話協議によると二国間関係と周辺国問題についてということですが、ミサイル購入、シリアの中立地帯、イランの動きなど話すことは多そうです。他には目立った指標等もありませんので、基本的には材料薄の週となります。
早速ですが、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円
気になる動きは、先週と先々週の高値が同じでダブルトップというほどの綺麗な形ではないものの、その後の訪米中の中国代表団が早期帰国する流れで週末終値が安値となったため、短期的には19.11レベルが高値となったと考えられます。そうなると、どのような下降トレンドを描くかを考えることとなりますが、上記チャートの青いレジスタンスラインは、未確定ラインではあるものの、7月高値と9月高値を結んだラインとなります。
いったん、テクニカルには下方向への調整が入りやすい流れを想定しました。いっぽうで下値ですが、なんだかんだ言ってトルコリラ円は底堅いのも事実です。先々週の安値圏がいったんはサポートとなると見てよさそうです。そうすると、今週は下方向への短期方向転換を考え、18.50レベルをサポートに19.05レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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