豪州政策金利(キャッシュ・レート・ターゲット)予想
明日13時30分に豪州中銀からキャッシュレート(政策金利)が発表されます。
豪州準備銀行(中銀)政策金利予想(7月1日12時00分現在)
現行1.25%→1.00%で0.25%利下げ予想 エコノミストのレンジ(1.00〜1.25%)
豪州中銀は前回(6月)利下げを実施しましたが、約3割のエコノミストは据え置き予想で、残り7割が連続利下げを予想しています。
政策金利推移(2019年6月末までと7月予想値…赤い線右側)
チャートを見ると、2012年以降で連続利下げは2012年4月4.25%⇒5月3.75%⇒6月3.50%があり、この当時は2ヶ月で75ベーシスの下げを実施したことがあります(○印)。しかしながら、それ以外では連続利下げはなく、大体3回の金融政策会合を挟んで利下げを実施しています。
エコノミストの先々見通しは下記となっており、概ね利下げ方向に舵をきっています。
予想自体の中間値は変わりませんが、利下げが今回なのか8月なのかが分かれ目になっています。いずれにしても、前回時点でも来年一杯まで3回利下げ予想でした。今回は利下げ前倒し予想になっていますが、平均では残り2回で打ち止め予想になっています。
但し、最下限は0.5%予想のエコノミストがいますので、残り3回利下げとなっています。
尚、前回(6月4日開催の議事録要旨)の中銀要旨は下記になっています。
「本日の会合で、委員会は25ベーシスポイントの利下げを決め、1.25%とした。委員会はこの決定が雇用の伸びを支え、インフレが中期目標値に向かって持続的に進んでいく確信をより高めてくれると見ている。
(中略)
中銀シナリオの中央値はまだ2019年と2020年末にGDPが約2.75%になると予想している。この見通しはインフラ整備の拡大、資源関連部門の経済活動の拡大を背景としている。とりわけ豪州の輸出価格増加をベースにしている。
主要な国内部門、賃金の緩やかな伸びにより家計消費や住宅部門は不確実性が続いている。ただ、可処分所得の伸びが幾分見られ、消費を支えてくれると予想している。
雇用の伸びは過去1年で強くなっている。労働参加率は上昇、求人率は依然高い。幾つかの部門では熟練労働者の不足が見られる。これらの進展にも関わらず、労働市場の余剰感が見られない。失業率は5%前後で推移していたが、4月は5.2%まで悪化した。雇用の改善は賃金上げを促しているが、上がり方は緩やかである。一段の賃金上昇の気配が見られるが、これは歓迎すべきことである。
最近のインフレは予想より下回っている。しかしながらインフレは先々上がると予想している。これは6月期で原油価格が上昇したためである。中銀のインフレ中央値は今年1.75%、2020年に2%を予想している。
利下げという今日の決定は経済の一層の拡大に寄与するとみている。これにより一層早く失業率を下げ、インフレ目標に向かうとみている。委員会は引き続き、労働市場の進展を注視し、経済の持続的成長を支えるために金融政策を調整していく。これによりインフレは目標値を達成できると見ている」
として、然程連続利下げを示唆する内容ではなかったですが、6月18日の議事全般では、
「…(前略)…中銀の成長とインフレの見通し中央値は変更しない。かかる状況下、委員達はキャッシュレート低下のケースを熟慮した。利下げは成長を支え、失業率を下げ、目標値に向かってインフレ上げに貢献すると考えた。利下げによって、為替レートの価値を下げ成長を支え、家計の借入レートを下げる。全般的に経済状態をより強いものにすることになろうと確認した。現下で入手できる情報を基に、委員会はこの会合でキャッシュレートを25ベーシス下げることを決定した。委員達は現状の経済状況を勘案して、金融政策の一層の緩和は将来のある時期で適当であると合意した。一層の金融緩和が適切であるか否かを査定しながら、労働市場の進展がとりわけ重要であると合意した」
との内容からエコノミストが予想したものと思われます。しかしながら、GDPやインフレ見通しの中銀下方修正はありませんでしたので、予想通りになるか注目されます。
シカゴポジション内での相場見通しでは、目先豪ドルは堅調推移を辿る流れになっていますが、市場は明日の金融政策で利下げを見込んでいますので、万一据え置きの場合には注意が必要になりそうです。
次回金融政策発表は2019年8月6日(火曜日)に予定されています。
(7月1日15:15、1豪ドル=0.6995米ドル)
オーダー/ポジション状況
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