<< 東京市場の動き >>
週明け1日の東京市場は、ドルが堅調裡。値幅こそ40ポイント程度にとどまり決して大きくはなかったが、下方向にギャップを空けて寄り付き、そのまま高値圏で推移している。
先週末に実施された米中首脳会談を受け、トランプ米大統領は「貿易協議再開合意」、そして「関税第4弾の先送り」を示し、一時的な休戦状態に。また、電撃的なトランプ氏と金北朝鮮委員長との会談が開催されるなか、週明けの為替市場が寄り付いた。
ドル円は、前述した2つの材料などを好感した格好で、ドル買い先行。先週末のNYクローズが107.90円レベルだったのに対し、108.10-15円とギャップを空ける形でオープンしている。取引開始後108円半ばまでドルは続伸したのち、一時ギャップの埋めを狙うも底堅く、108円は割り込めず。結局、108.10-50円で取引されるなか、16時時点ではドル高値圏の108.45-50円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、一連の「トランプ外交」について。
G20にあわせ来日した日本で米中首脳会談を行い、「関税第4弾の先送り」を決定したことに続き、訪問した韓国・板門店では電撃的に金北朝鮮委員長と会談を行っている。なお、それらの重要会談を受け、トランプ氏は「米国は対中貿易協議で勝利を収めつつある」、「北の短距離ミサイルは問題視しない」、「対北制裁維持するが見直す可能性も」−−などと発言していたようだ。そのほか、別に「日米安保条約、不公平性見直す必要を安倍首相に伝達」とのコメントも聞かれている。
そのほか単発モノとして、「G20閉幕、首脳宣言に『反保護主義』の表現盛り込まず」、「日本、6月30日に『国際捕鯨委』を正式脱退」、「日銀短観発表される、大企業DIは予想+9を下回る+7」、「経産省、韓国への半導体3品目の『禁輸』を発表」−−とする報道が観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
フィボナッチの観点で見ると、先週末段階では越えられなかった、6月高値108.80円を起点とした下げ幅の76.4%戻し108.30-35円を本日東京時間にしっかり抜けてきており、ドルの続伸が期待される。ちなみに、そんなドルの次の上値メドは100%戻しの108.80円。超えれば109円台回復がみえてくる。ただ、先でも指摘したように、本日早朝に空けた下方向のギャップがいまだ埋め切れていないことは若干気掛かり。一時的な円高進行にも一応の注意を払いたいところだ。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」など継続案件は依然として多いが、「北朝鮮情勢」と「米貿易問題」については先週末の動きを受け、少なくともドル安・円高要因とは言えなくなった感がある。「イラン情勢」は引き続き「ドル安」要因として要注意であるものの、今週注目されている米雇用統計発表などの指標が好数字となり「米利下げ観測」が後退するようだと、ドルはさらなる高値を目指すことになりかねないのかもしれない。
テクニカルに見た場合、フィボナッチの観点で見た抵抗を超えただけでなく、移動平均で言えば25日線など、108.30円前後には複数の抵抗が位置していたが、本稿執筆段階でそれらを上回っての推移となっている。先でも書いたように、下方向にギャップが空いていることはやや気に掛かるが、リスクそのものは上方向にバイアスがかかりそうだ。6月高値108.80円の攻防が注視されており、超えれば109円台回復もあるだろう。
対するサポートは、本日早朝に空けて埋め切れていない下方向のギャップ、107.90-108.10円になる。
一方、材料的に見た場合、6月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数など幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。「米貿易問題」などに一服感がうかがえ、マーケット参加者の注目が米経済指標に移り始めているだけに、その内容には要注意だ。
また、波乱はないと思われるが、「減産延長決定」が見込まれているOPEC総会の行方も多少気掛かり。
高値108.80円が視界内に捉えられており、超えれば109円レベルがターゲット。5月31日以来の109円台乗せは果たしてあるか!?
対するドル安・円高方向は、本日早朝に空けて埋め切れていない108円挟みのギャップが最初のサポート。ただ、ギャップを埋めても底堅そうで、大崩れする展開は目先予想しにくい。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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