オーストラリア中銀政策金利要旨
今回、エコノミストの予想通りに利下げを実施しました。
今回の利下げによる今後の影響を注視していくと議論しており、先々の金融政策変更には触れていません。また、GDPやインフレ見通しも下方修正しておらず、これまで通りのGDP伸びを予想しています。
明日の1QGDPが注目されます。
以下は豪州中銀の金融政策の議事要旨の抜粋です。
(議事要旨)
本日の会合で、委員会は25ベーシスポイントの利下げを決め、1.25%とした。
委員会はこの決定が雇用の伸びを支え、インフレが中期目標値に向かって持続的に進んでいく確信をより高めてくれると見ている。
世界経済の見通しは依然理にかなった進展を見せている。但し、貿易紛争の高まりにより下方修正リスクが高まってきている。世界貿易の伸びは弱く、幾つかの国の先行き投資に関し不確実性が増えた。中国では、当局が景気下支えの措置を取っている。一方で金融システムのリスクが高まっている。ほとんどの先進国では、インフレは低下し、失業率は低く、賃金は伸びている。
世界の金融状況は緩和的である。長期債とリスクプレミアムは低い。豪州では、長期債のイールドが歴史的に低い。銀行の借入金利もまた一段と下がった。金融市場のスプレッドは昨年の拡大から反転している。豪州ドルはここ数ヶ月で少し安くなった。最近は豪ドルが安い水準で、かつ狭いレンジで推移している。
中銀シナリオの中央値はまだ2019年と2020年末にGDPが約2.75%になると予想している。この見通しはインフラ整備の拡大、資源関連部門の経済活動の拡大を背景としている。とりわけ豪州の輸出価格増加をベースにしている。主要な国内部門、…賃金の緩やかな伸びにより家計消費や住宅部門は不確実性が続いている。ただ、可処分所得の伸びが幾分見られ、消費を支えてくれると予想している。
雇用の伸びは過去1年で強くなっている。労働参加率は上昇、求人率は依然高い。幾つかの部門では熟練労働者の不足が見られる。これらの進展にも関わらず、労働市場の余剰感が見られない。失業率は5%前後で推移していたが、4月は5.2%まで悪化した。雇用の改善は賃金上げを促しているが、上がり方は緩やかである。一段の賃金上昇の気配が見られるが、これは歓迎すべきことである。
最近のインフレは予想より下回っている。しかしながらインフレは先々上がると予想している。これは6月期で原油価格が上昇したためである。中銀のインフレ中央値は今年1.75%、2020年に2%を予想している。
中古住宅市場の調整が続いている。これは幾つかの都市で価格が上がった後のことである。状況は依然弱く、価格は下がっている。
利下げという今日の決定は経済の一層の拡大に寄与するとみている。これにより一層早く失業率を下げ、インフレ目標に向かうとみている。委員会は引き続き、労働市場の進展を注視し、経済の持続的成長を支えるために金融政策を調整していく。これによりインフレは目標値を達成できると見ている。
(出所:豪州中銀HPから)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
豪ドル米ドル相場は発表前に0.6970〜75米ドル付近で推移していましたが、利下げ実施に10ピップス程度売られた後、材料の出尽くしに約30ピップス反発して高値0.6993米ドルまで上昇しました。強い抵抗線となっている0.6990〜0.70米ドルに止められています。
現在は発表前と同じ水準で推移しており、次の材料待ちとなっています。0.6875〜0.7125米ドルにある豪ドル安トレンドは変わらないので、レンジ上限トライの場合は0.70米ドルの抵抗線、下限トライには0.6900米ドルのサポートをこなす必要があります。
(2019年6月4日14時30分、1豪ドル=0.6977米ドル)
オーダー/ポジション状況
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