トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、もみあい局面入り(チャンネル内での横方向の動き)と考え「18.20レベルをサポートに18.90レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.23レベル、高値が18.85レベルと予想通りもみあい局面入りの一週間となりました。
先週のトルコリラ円ですが、週前半は狭いレンジでの横ばい、週末にかけてトルコリラ売りの動きが出ました。材料的には10日にロシア製ミサイルS400を購入した場合には制裁を科すと決議、翌11日にロシアがS400をトルコに7月納入予定と発言し、制裁の可能性が高まったことから上値を抑えましたが、翌日に政策金利発表もあり大きくは動きませんでした。
トルコ中銀の政策金利は予想通りの現状維持、併せて引き締めを維持するとの声明もあり、トルコリラ買いにはなりませんでしたが、金融政策イベント通過で改めてS400購入が問題視され、先週安値を下回ったことから週末に向けてはテクニカルにもじり安となりました。それでも、基本的にはやや上値の重たいもみあいで週末を迎えようとしていたところに、ムーディーズが突然の大幅格付け引き下げを発表。これまでのBaa3(BBB―相当)から一気にBBを通り越しB1(B+相当)へと4ノッチもの引き下げを発表、しかも見通しは依然としてネガティブです。
引け間際であったため週明けの相場が懸念されましたが、ほとんど動かず。これも不思議な話ですが、既に投資不適格(ジャンク)であることから新たな売りにはならなかったということなのでしょう。ただ、米国との関係悪化懸念、さらには今週末にはイスタンブール市長選の再選挙もあります。先行きによってはさらなる格付け引き下げがあり得るだけでなく、トルコリラ売りのきっかけになりうる状況になってきていると考えられます。
他には細かい経済指標もありますが、米国との対立ちイスタンブールの再選挙に向けて何か動きが出てくるのかどうか、基本的にはこの2つをトルコリラ売りにバイアスがかかりやすい材料としながら、あまりに静かな格付け引き下げ後の反応を見守る週となりそうです。
テクニカルにはどうか、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
先週の下げの動きでもこれまでの上昇チャンネル(青の平行線)を抜けてはいません。しかし、現状ではサポートラインに至近距離であること、本日の海外市場に入ってから改めてムーディーズの格付け引き下げが取り上げられる可能性があり、トルコを取り囲む悪材料も多いことから、ここでは先々週高値と先週高値を結んだレジスタンスラインとそれに平行な下降チャンネル(ピンクの平行線)を想定してみました。
このチャンネルの想定が正しいとすれば、今日明日にもこれまでのチャンネルを下抜け、新たなチャンネルへと方向転換することとなります。
今週も上昇チャンネルから下降チャンネルへと転換を考え、18.50レベルをレジスタンスに17.80レベルをサポートとする週を見ておきます。
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