ランド円ショートコメント
先週の振り返りですが、ムーディーズの格付けが現状維持を想定し「7.40レベルをサポートに7.65レベルをレジスタンスとする週」を考えました。実際のレンジは安値が7.48レベル、高値が7.71レベルと、予想よりもわずかにランド高水準での取引となりました。
先週のランドは、金曜に発表されるムーディーズの格付けに注目が集まっていたのですが、今回も前回に続いて発表されず延期となりました。また、あまり材料視はされていませんでしたが、南ア中銀の政策金利は現状維持となりました。
南アフリカの格付けは現状のBaa3で投資適格の格付けを維持したことと同じ効果はありますが、ムーディーズが今回も延期した理由については述べず、また今後の予定についても述べていません。南アフリカの経済情勢が思わしくない状況下で、2回続けて延期というのは何か裏があるのではないかとも思いたくなりますが、他の主要格付け会社は投資不適格としていますので、ムーディーズも市場参加者の思惑に反して、投資不適格とする可能性もあるかもしれないとネガティブなイメージも出てきます。
実際に南ア経済だけでなく、電力会社エスコムの債務問題もあり財政状況はかなり困難な状況が見込まれています。好材料があるとすれば、南ア第1の貿易相手国である中国と米国との通商協議進展による安心感が出てくる程度といわざるを得ないでしょう。
週初こそ格付けが無かったことの安心感で買いが先行し、これまで長期にわたって続いてきたレジスタンスラインの上抜けをトライしていますが、上昇に転じたと判断するには先々週の高値を明確に上抜ける必要があると見ています。
4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
上からランド円、ドルランド、ドル円
先週後半からはドルランドでランド買いとなるいっぽうで、ドル円は円安となり週前半の高値に並んで引け、本日は更に買いが入っています。ただ、これは多分に株高によるリスクオンの影響もあり、ランド自体の実力とは言えません。テクニカルには上記の通りで7.85水準まで戻して初めて目先の安値をつけた可能性が出てきます。
今週はいったん同水準では売りも出てくるであろうことから、7.55レベルをサポートに7.85レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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