トルコリラ円ショートコメント
先週の振り返りですが、悪材料が多いため戻りも限界的と考え「20.10レベルをサポートに、20.60レベルをレジスタンスとする流れ」を考えました。実際のレンジは安値が18.77レベル、高値が20.47レベルと、金曜に1円50銭もの急落となりました。
先週のトルコリラは、今月末の地方選で与党が苦戦していること、ソ連製ミサイル購入で米国との関係悪化と、これまで同様の懸念材料があったことは変わりませんが、金曜に下げた時間を見ても分かる通り、ユーロ圏のPMIが予想よりも悪かったことでユーロの下げからリスクオフの動きとなり、クロス円全般で売られた時間と同じです。
つまり、今回の下げのきっかけはトルコよりも欧州発のリスクオフの動きと言ってよさそうです。さらにNY市場の弱いPMIでも下げを加速させていますが、ドル円や対主要通貨のクロス円に比べて、トルコリラ円は流動性が低いこと、またリスクオフの際には高金利通貨から低金利通貨へと資産移動が起きやすいことは、これまでにも書いてきた通りです。
さらにトルコリラにとって悪かったことは、トルコ中銀の外貨準備が3月前半の2週間だけで6300万ドル減少し、2850万ドルとなっていたことも、市場に不安を与えたようですが、週末にエルドアン大統領が演説し、トルコリラを投機的に売っているバンカーは罰を受けると発言したことで、週明けのトルコリラはNY市場での下げを取り返す動きとなっています。
今回の下げでは1月の年初来安値こそ割り込まなかったものの、18.77レベルまで下げたことで、かなり近い水準にまで下げたこととなります。今週末の地方選前後の情勢次第では再度下値トライをする可能性もあり十分な警戒が必要となりそうです。
4時間足チャートをご覧ください。
(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)
2週前と3週前に安値を下抜け、20円の大台も割り込みと、いくつかのポイントでストップオーダーが出たことは容易に想像ができます。少なくとも現状では20円の大台が強いレジスタンスとなってきていると考えられます。
一方、サポートとしては目立ったものはありませんが、ピンクの水平線の低い方が年初来安値17.99レベル、その上は年初来安値と高値との78.6%(61.8%の平方根)押しとなる18.67です。
金曜の下げは18.67との誤差の範囲内と見ることもできますが、引き続きこれら2つの水準には注意してください。今週も週初こそ買いが先行しているものの、戻りは売りが出てくると考え18.50レベルをサポートに19.90レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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