トルコリラ円ショートコメント
先週の振り返りですが、テクニカルな観点で「19.55レベルをサポートに20.55レベルをレジスタンスとする流れ」を考えました。実際のレンジは、安値が19.52レベル、高値が20.37レベルとほぼ予想レンジでの動きとなっています。
先週は前週のドル円乱高下に巻き込まれトルコリラ円ではかなりの強制決済が発生した翌週ということもあって、積極的な取引は手控えられましたが、やはり乱高下の下ヒゲを無視したローソク足実体部分の安値圏がサポートなり、また高値圏は12月高値22.04と1月安値17.99の61.8%戻しとなる20.49レベル水準でほぼ止められたと言えます。
先週は材料的には目立ったものはありませんでしたが、長期的に膠着しているトルコのシリア派兵と米軍のシリアからの撤退に関して、先週初に米国とトルコの間で協議が難航しているとのニュースが出ました。主要な問題は米軍撤退に関する条件ですが、この週末にはトランプ大統領がクルド人勢力にトルコが攻撃した場合、トルコに経済面で打撃を与えるとの警告を出し、やや両国の間での緊張が高まっていて、これはトルコリラにとっては悪材料となります。
また経済指標関連では、15日に失業率、16日に政策金利発表があります。トルコ中銀がどのような動きをするかについてですが、現状維持がコンセンサス、リスクシナリオとしては通貨が安定してきたことと世界的な景気鈍化懸念もあって利下げの可能性もゼロではないというところです。ただ、ここで利下げをすると通貨が安定した後に年初の急落があっただけに、中銀としてはこのタイミングで金利の引き下げは選択肢に無いと考えてよいのではと思いますが、いちおう注意しておきたいイベントです。
テクニカルにはどうでしょうか。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
年初に安値をつけた後の戻し高値は、上述した12月高値と1月安値の61.8%(赤のターゲット)となっていて、さらにいまだに高値は着実に切り下げていることから、先週こそ横方向のもみあいであったものの、下降トレンドは続いていると見てよいでしょう。
1月安値とその後の戻し高値から押しを計算すると先週安値がほぼ38.2%押し(青のターゲット)、そして方向は半値押しの水準にあたる19.20水準と考えられます。10日高値が大台20円ちょうどで止められたことから、今週は19.20レベルをサポートに20.00レベルをレジスタンスとする流れを見ておきますが、政策金利次第では大きく下げるリスク(19円割れ)も考えておきます。
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