トルコリラ円レポート月曜版(19/1/21)

先週のトルコリラ円は、週前半からじり高となりましたが背景には米国とトルコとの関係悪化材料のひとつであったシリア問題を緩和させるニュースが

トルコリラ円レポート月曜版(19/1/21)

トルコリラ円レポート

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、10日高値が大台20円ちょうどで止められたことから「19.20レベルをサポートに20.00レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が19.46レベル、高値が20.63レベルと大幅高、20円の大台を上抜けたことで買いに弾みがついた動きとなりました。

先週のトルコリラ円は、週前半からじり高となりましたが背景には米国とトルコとの関係悪化材料のひとつであったシリア問題を緩和させるニュースがありました。NHKニュースによると「エルドアン大統領は・・トランプ大統領との間で、トルコとシリアの国境地帯に安全地帯を設置できないか検討を進めている」との報道です。これまでも米国との関係改善・悪化がトルコリラ変動の要因となってきた中でトルコリラにとっては好材料となりました。

さらに16日には、トルコ中銀が政策金利を据え置き、引き締め姿勢を示したことで一気に20円の大台を突き抜ける動きとなりました。ここに至るまで通貨安定を進めてきた中銀のスタンスに市場参加者が安心した面が大きかったと思います。週末に向けてドルトルコリラでのトルコリラ買いが強まりました。そのいっぽうで、ドル円は株高を背景としたリスクオンの円売り相場となりましたので、ほぼ週を通してトルコリラ買いと円売りが続いたことで昨年末の20円台半ばまで戻すこととなりました。

今週はトルコ関連では細かい経済指標はあるものの、方向感を変えるほどのものはありません。株式市場でのリスクオンが続くかどうか、外部要因による変動の方が大きくなりそうです。市場ではリスクオンの最大の材料として米中通商協議の進展を好材料としていますが、米金利上昇の思惑が完全に後退したことも大きいと思います。ドル円の週報に書いた通りですが、2019年末における米国政策金利は現状維持がほぼコンセンサスであり、利上げと利下げでは利下げを見ている向きのほうが多いということも高金利の新興国通貨にとっては後追い材料と言えるでしょう。

トルコリラ円レポート

テクニカルにはどうでしょうか。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

中段のドルトルコリラと下段のドル円に矢印で示したように、それぞれが逆方向に動いたことでトルコリラ買い・円売りとクロスで大きく上昇したことがよくわかります。先週のトルコリラ円はすべての材料がトルコリラ円に好材料となったというチャートです。

ここからですが、さすがに3日安値からのサポートラインだと急角度過ぎるように見えますが、こちらのサポートラインは現在20.40レベル。同じ3日のNY市場安値からのサポートラインも引いてあり、こちらは現在19.60水準を上昇中です。ちょうどその間に20円の大台がありますが、先週16日まではレジスタンスなっていた水準ですから、現在はかつてのレジスタンスはサポートとなるということで下値はキリもいい20円の大台と見ておいてよいでしょう。

いっぽう上値ですが、こちらは昨年12月高値と3日の安値との78.6%(61.8%の平方根)戻しとなる21.17レベル(赤のターゲット)を目指しやすい状況です。またその手前には細かく各週ごとの高値がありますが、12月26日高値の21.08は上記のフィボナッチ戻しとも近く、21円台乗せたあたりがいったん止まりやすいと考えられます。

今週もテクニカルな材料からとなりますが、大台20.00レベルをサポートに、21.10レベルをレジスタンスとする週を見ておきたいと思います。

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