トルコリラ円ショートコメント
まず先週の振り返りですが、もう一段の調整売りがFOMCをきっかけに起こりやすく「20.50レベルをサポートに、21.40レベルをレジスタンスとする週」を考えました。実際のレンジは、安値が20.81レベル、高値が21.41レベルと全くの横方向の動きとなり、材料の割には売りが出ない週となりました。
先週のトルコリラ円は、米国の利上げ、株式市場の下げによるリスクオフと新興国通貨には逆風の週となり、ランド円はその通りに下げる動きとなりましたが、トルコリラ円は健闘し前週安値こそわずかに割り込んだものの3週前の安値はトライしていません。
材料的にはトルコリラ買いのニュースがあったわけではありませんが、南アフリカと比べて絶対的な金利水準が高いトルコの場合、米国の利上げによる金利差縮小の影響が低いということ、また直近でこそもみあいとはなっているもののトルコリラ暴落後のここまでの買い戻しの動きから、売り手はだいぶ引いていることがありそうです。
トルコ中銀もいまは静観していますが、引き締め状態の手綱は持ったままですし、さすがにこれだけ金利が高いと売りポジションを長く持つことはできず、短期勝負に持ち込む材料もなく、といったあたりが影響している様子です。ただトルコ国内ではエルドアン大統領がシリアへの攻撃を考えている中、トランプ大統領とエルドアン大統領による電話会談で、米軍はシリアから撤退するという話も出ています。
米国、トルコは双方とも、行き当たりばったりな発言が目立つのですが、これが事実だとするとシリアのクルド人地区への攻撃が強まるリスクもありそうで、今すぐではないにせよ今後の展開には注意が必要そうです。ただ、今週を含めて年末年始は大きな材料が出てくることも無いと思いますので基本的にもみあい、更なるリスクオフの動きが強まった場合にはさすがにトルコリラも下げ圧力が強まるといった流れになると考えられます。
すっかり横方向の動きではありますが、先週高値が3週前の戻し高値で止められていることはテクニカルに気になるところです。11月20日安値の20.60レベル水準への下押しは想定していた方がよいでしょう。
年末年始は緩やかな下げを想定し、20.60レベルをサポートに21.30レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
なお、トルコ円のコメントも年内は本日が最終、年明け7日に再開となります。到達確率チャートは28日までの更新です。それでは、よい年をお迎えください。
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