トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、上値が抑えられやすい週を考え「20.50レベルをサポートに、21.50レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が20.89レベル、高値が21.36レベルと予想レンジの中で更に狭い値動きを続けた一週間となりました。
先週のトルコリラ円は、最大の材料として13日のトルコ中銀の政策金利発表がありましたが、大方の予想通りで政策金利は24.0%と現状維持となり、声明では「インフレ見通しが大きく改善されるまで引き締めを続ける」と、これまでの「断固として」という前置きこそ無くなりましたが、ここに至るまでの大きな目的であった通貨の安定は達成できたことを考えるとサプライズということはありません。一時的にトルコリラのレートに振れはありましたが過剰反応です。
また最近では緊張が薄れている対米国との問題ですが、エルドアン大統領がシリア北部(クルド人勢力)に対して軍事作戦の範囲を拡げると述べたことが、今後どのように影響が出てくるかは気になるところです。これまでの経緯からも一定の線を超えるような軍事作戦に対して米国は反応してきています。いまのところトランプ大統領は静観しているようではありますが、どちらの大統領も癖がありますので油断はできません。
金融政策イベントが経過したことで改めて対米関係は注視と言えるでしょう。経済指標関係では失業率、消費者信頼感といった国内の指標はあるもののインフレ関連の指標に比べると注目度が低いことや、今週はFOMCがありますので、そちらのほうが注目度は高いと言えそうです。米国の利上げはほぼ織り込み済みですが、米金利上昇は新興国通貨にとっては悪材料とされやすいため、今週はどちらかと言えば材料面ではトルコリラ売りにつながりやすいものが多い印象です。
テクニカルには、8月急落後の値幅を全て戻し、また急落後の上昇チャンネルの中での動きであることを2週前のレポートで触れましたが、この上昇チャンネルのサポートをトライし始めていますので、今週は日足チャートをもう一度見ていきましょう。
12月に入り月初の下げを見た後は横方向のもみあいの値動きを続けていますが、上昇チャンネル(ピンクの平行線)のサポートの位置にまさに本日到達しています。ここで反発すれば上昇チャンネル内での動き再開となりますが、材料面で特に買う材料が無いとなると今週ももみあいを続けやすくそうなると今日明日に抜ける動きとなってもおかしくありません。
この動きは先に短期的な4時間足チャートで見てきたことなので、8月安値と12月高値(=11月高値と同レート)の23.6%押しとなる20.49レベルは考えておいた方がよさそうです。その後、上がるのかあるいは20円の大台を試すのかは材料次第でしょう。
次に4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円四時間足
こちらでは、先に述べた通りより短期的な上昇チャンネルを先々週に下抜ける動きとなり、その後は横方向のもみあいとなってきていることがわかります。日足でもこうした動きとなる可能性が高いのではないかと見ているわけです。
この4時間足チャートでは、先々週の安値とその後の高値をもみあいのレンジとして動いてきていると考えられ、そうであれば結構狭い値幅となりますが20.71と21.41をそれぞれ止まりやすい水準と考えられます。長期的に続いてきた上昇チャンネルの下抜けが起きるとすれば、このサポート20.71をトライし、さらには日足のフィボナッチ押しとなる20.49に向かいやすいという見方ができます。
ほぼテクニカルな観点からのみとなりますが、もう一段の調整売りがFOMCをきっかけに起こりやすく20.50レベルをサポートに、21.40レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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