トルコリラ円ショートコメント
まず先週の振り返りですが、緩やかな上昇トレンド継続を考え「21.50レベルをサポートに、ゾロ目22.22レベルをレジスタンスとする週」を考えました。実際のレンジは、安値が20.71レベル、高値が22.04レベルと水準を切り下げる週となりました。
先週のトルコリラは、週初こそ高く始まったものの、その後は米国株の下げによるリスクオフから新興国通貨は最も下げやすい標的となってしまった感がありますが、それに加えてテクニカルにも上昇トレンドに変調を来してしまったという面が大きかったと思います。これは後ほどチャートを見てみましょう。
今週のトルコリラは最大の材料は13日のトルコ中銀の政策金利発表です。前回はトルコのインフレも多少落ち着きを取り戻し、トルコリラも安値からは随分と上がってきていますので、現状維持と見るのが多数派です。エルドアン大統領や財務相は緩和といった言葉をこれまでも使っていますが、ここでそんなことをしたら元の木阿弥というパターンですし、トルコ中銀はこれまでも独立性を保った動きをしてきましたので、予想通りであると考えられます。
問題はテクニカルな要因です。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
明らかに長期間続いてきた上昇チャンネルを下抜けています。それでも底堅い動きを続けていますので、これまでのサポートがレジスタンスといいつつも、下降トレンドに転換というには時期尚早です。今週の動きを見た上で、トレンドに変化が生じたのかあるいは、上昇のペースが変わっただけなのかを判断することとなります。
それでも、長期間続いていたトレンドを抜けたという事実は大きいでしょう。もちろん、政策金利の発表だけでなく米中間の貿易と政治的な摩擦の状況、さらには延期の可能性はあるものの英国議会でのブレグジット案の採決など大きなイベントが多く、特に下方向の動きに注意したい一週間です。
今週も上値が抑えられやすい週を考えて、20.50レベルをサポートに、21.50レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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