株価の動きを注視、ただドル高基調変わらず(11/13夕)

13日の東京市場は、ドルが小高い。上下に振れる荒っぽい変動をたどったが、最終的には寄り付きレベルを超えて大引けている。

株価の動きを注視、ただドル高基調変わらず(11/13夕)

<< 東京市場の動き >>

13日の東京市場は、ドルが小高い。上下に振れる荒っぽい変動をたどったが、最終的には寄り付きレベルを超えて大引けている。

ドル/円相場は113.80円前後で寄り付いたのち、当初はドルが冴えない。前日にNYダウが602ドル安となり、日経平均などアジアの株安連鎖が懸念され、ドル売り・円買い要因に。そして実際に取引が始まった日経平均株価は384円安で開始、一時はさらに下げ幅を広げ700円安を超えたが、クローズベースでは459円安まで戻したことに、為替市場は連れる展開となった。
日中安値である113.55-60円まで値を下げたのち、株価の戻りに合わせ反発に転じると114円台へ。16時段階では113.95-00円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、米副大統領の来日を中心とした「米国ファクター」と「英国情勢」について。
前者は、「安倍首相とペンス副大統領の会談」が実施され、時事通信では「来年1月にも始まる日米の貿易協定交渉を通じ、双方に利益となるよう貿易投資を拡大していくことも申し合わせた」と報じていた。そのほか、米紙WSJが「米財務長官が中国の劉副首相と協議再開、9日に電話会談」、米紙WPによる「トランプ氏はニールセン国土安保長官の解任準備」といった報道が観測されている。
対して後者は、ベルギー外相による「英EU離脱交渉は今月中の本格的な進展が難しい」との発言が聞かれるなか、英首相が「離脱交渉は大詰めだが、かなりの未解決問題あり」「離脱後はTPP交渉などに力入れる考え」−−とのコメントを発したと伝えられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

足もとは日米を中心とした株価の動きに振り回される展開で、やや荒っぽい上下動ながら、基本的なリスクがドル高方向に高いことは間違いないようだ。昨日は一時114.23円まで値を上げ、年初来高値である114.55円を視界内に捉えた動きとなっている。昨日高値ならびに年初来高値を上抜けるようだと、一気に115円に迫る展開も否定出来ない。再三再四指摘しているように、今年のドル/円の動意が鈍く、これをポジティブに捉えればまだまだ動意余地を残しているとも考えられる。一本調子かどうかは別にして、年内に115円接近あるいは突破しても不思議はないだろう。
材料面で見た場合、引き続きトランプ氏の政権運営方法への警戒感が強い。そのひとつは、前述した米紙WPが報じたような閣僚人事について。また、日米そして米中貿易問題の関心も当然高い。一方、本日は「イタリアが予算案修正の期限切れを迎える」ことを中心とした欧州情勢が波乱要因になりかねない。

テクニカルに見た場合、昨日は「114円台へ『しっかり』乗せてきた感を否めない」と報じたが、基盤そのものに若干の脆弱さを感じている。しかし、リスクそのものは依然としてドル高で、年初来高値の114.55円や115円レベルが視界内に捉えられている。ドルの続伸に要注意。
ただし、『今週の週報』でも指摘した「日足と移動平均200日線の乖離率」が危険水域に達しつつあることは気掛かり。短期的には調整が続く可能性もある。

一方、材料的に見た場合、10月の財政収支など幾つかの米経済指標が発表されるものの、よほどの数字にならない限り、基本的にはノーインパクトか。ただ、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁やブレイナードFRB理事による講演が予定されており、そちらの内容には注意を払いたい。
また、継続案件である英国ファクターのほか、本日に予算案修正の期限切れを迎えるイタリア情勢など、欧州関連のニュースは引き続き波乱要因。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.50-114.50円。ドル高・円安方向は、まず昨日高値である114.23円の攻防を注視。抜ければ年初来高値の114.55円、そして115円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた113.50-60円が最初のサポートか。ただ、割り込んでも、今週は週間を通して113円前後に一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置しており、これが強いサポートとして意識されそうだ。(了)

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