ドル円見通し 米国株安で114円台を維持できず(11/13)

週明け12日はアジア株が比較的平穏な動きのなかでユーロ安、ポンド安が目立ってドル全面高の様相から上昇、12日午後には114.20円をつけたが、

ドル円見通し 米国株安で114円台を維持できず(11/13)

ドル円見通し 米国株安で114円台を維持できず

10月2日高値から急落していた日経平均が10月26日から反騰、同じく10月3日高値から急落していたNYダウも10月29日から反騰、株高によるリスクオン心理でドル円も10月26日深夜安値を当面の底として上昇してきた。11月7日開票の米中間選挙開票まで反落していたドル指数が7日安値から反騰、9日未明のFOMCから続伸してきたために株高とドル高による強気の両輪により10月4日高値114.54円以来となる114円台に乗せ、11月9日未明には114.08円をつけた。
週明け12日はアジア株が比較的平穏な動きのなかでユーロ安、ポンド安が目立ってドル全面高の様相から上昇、12日午後には114.20円をつけたが、その後は欧米株安を警戒して失速、NYダウが602ドル安と大幅下落したことで株安不安による円買いから13日未明には113.65円まで下落している。

【株安波乱はまだ続く?】

米長期金利上昇をきっかけとしてNYダウは10月3日高値から10月29日まで急落した。下げ幅は2829ドル安で2月序盤の世界連鎖株安発生時に2月9日まで3256ドル安した時に近い下げ方となった。11月8日まで反騰して戻り幅は2155ドル高となったが、9日に201ドル安、12日に602ドル安と反落している。
2月急落時も2月27日まで1940ドル高の反騰を入れたが2月27日に299ドル安、28日に380ドル安、3月1日に420ドル安と急落し、その後も軟調推移で4月2日には2月9日安値を割り込むところまで下げている。5月3日までは大きな三角持合い型を形成しつつ出直りに入れなかったが、今回も週末からの大幅続落により2月27日からの反落時との類似性が気になる状況に入ってきた。

週間見通しでも記載したように、日経平均も2月暴落時と今回の10月暴落は類似状況にあり、11月8日高値まで戻してからの反落は2月27日から3月26日への一段安開始時に近い印象がある。ドル円も日経平均がようやく底をつけた3月26日までは株安不安を背景に下落した経緯もあり、ここまでは日米長期金利差や株の反発、全般的なドル高に支えられてきたものの、株安が深刻化するようだとドルストレートでのドル高が継続する一方でクロス円の円高が勝り、ドル円ではドル安円高基調へと転換しかねないと注意される。

【10月26日以降の底上げを維持できるか】

10月26日安値111.37円、11月2日安値112.54円、11月7日安値112.93円と底上げしてきた。13日未明の反落では113.65円まで下げたが、7日安値を割り込まないうちは底上げパターンの維持として、次の上昇で高値更新へ進む可能性も残る。11月2日への下落幅は0.84円、7日への下げ幅も0.88円であり、3日間上昇した後に1円を超えない程度の調整安を入れるというパターンだが、高値から1円を超える下落となる113.20円を割り込んでくると底上げパターン継続が途切れる可能性が出てくると注意し、7日安値112.93円割れからは10月26日からの上昇に対する修正局面入りとして下落規模も1.50円前後へ拡大する可能性があると注意する。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは11月7日夜安値をサイクルボトムとして上昇してきたが、7日昼高値から3日目となる12日午後高値で直近のサイクルトップをつけて下落期に入った印象だ。今回の安値形成期は7日夜安値を基準として12日夜から14日夜にかけての間と想定されるので早ければ13日中に反騰入りする可能性もあるが、株安と同調する下落が13日夜へ継続しかねないため13日夜、14日朝にかけてはまだ一段安を警戒すべき時間帯と思われる。114円台を回復する上昇あれば新たな強気サイクル入りの可能性が高まり、12日午後高値超えからは強気サイクル入りとして15日から19日にかけての間への上昇が想定される。

60分足の一目均衡表では13日朝への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落しているため、遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、強気転換は両スパン揃って好転するところからとする。

60分足の相対力指数は9日から12日への高値更新時に指数のピークが切り下がる弱気逆行を見せて下落しているので30ポイント割れへ突っ込む可能性ありとみる。また上昇再開には相場の安値更新に対して指数のボトムが切り上がる強気逆行型を見せる必要があるかもしれない。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、113.50円を支持線、113.80円から114.00円を抵抗線とみておく。
(2)113.80円以下での推移中113.50円割れからの続落で113.20円から113.00円前後試しを想定する。113円前後は買い戻されやすいとみるが、株安同調の下落継続の場合には下げ幅が拡大する可能性もあると注意する。また113.70円以下の推移に留まる内は14日の日中にかけても安値を試しやすいとみる。
(3)113.80円超えを強気転換注意、114円台回復からは新たな強気サイクル入りの可能性を優先し、まず12日高値114.20円試しとその前後からの反落注意とするが、高値更新後も114円台を固める場合は14日から15日にかけては114.50円前後への上昇へ進み始める可能性ありとみる。(了)<9:30>

【当面の主な予定】

11/13(火)
16:00 (独) 10月 消費者物価指数・改定値 前月比 (9月 0.2%、予想 0.2%)
18:30 (英) 9月 失業率・ILO方式 (8月 4.0%、予想 4.0%)
19:00 (独) 11月 ZEW景況指数・期待 (10月 -24.7、予想 -25.0)
28:00 (米) 10月 月次財政収支 (9月 1191億ドル、予想 -1165億ドル)
24:00 (米) カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、講演
24:00 (米) ブレイナードFRB理事、講演
28:20 (米) ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、フィンテック関連討論会

11/14(水)
07:00 (米) デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、大学での講義
08:50 (日) 7-9月期GDP、速報値 前期比 (前期 0.7%、予想 -0.3%)
08:50 (日) 7-9月期GDP、速報値 年率換算 (前期 3.0%、予想 -0.9%)
11:00 (中) 10月 小売売上高 前年同月比 (9月 9.2%、予想 9.2%)
11:00 (中) 10月 鉱工業生産 前年同月比 (9月 5.8%、予想 5.8%)
13:30 (日) 9月 鉱工業生産・確報値 前月比 (8月 -1.1%)
13:30 (日) 9月 鉱工業生産・確報値 前年同月比 (8月 -2.9%)

16:00 (独) 7-9月期GDP、速報値 前期比 (前期 0.5%、予想 -0.1%)
16:00 (独) 7-9月期GDP、速報値 前年同期比 (前期 2.3%、予想 1.2%)
18:30 (英) 10月 消費者物価指数 前月比 (9月 0.1%、予想 0.2%)
18:30 (英) 10月 消費者物価指数 前年同月比 (9月 2.4%、予想 2.5%)
18:30 (英) 10月 生産者物価コア指数 前年同月比 (9月 2.4%、予想 2.4%)
19:00 (欧) 9月 鉱工業生産 前月比 (8月 1.0%、予想 -0.4%)
19:00 (欧) 7-9月期GDP、改定値 前期比 (速報 0.2%、予想 0.2%)
19:00 (欧) 7-9月期GDP、改定値 前年同期比 (速報 1.7%、予想 1.7%)
22:30 (米) 10月 消費者物価指数 前月比 (9月 0.1%、予想 0.2%)
22:30 (米) 10月 消費者物価指数 前年同月比 (9月 2.3%、予想 2.5%)
22:30 (米) 10月 消費者物価コア指数 前月比 (9月 0.1%、予想 0.2%)
22:30 (米) 10月 消費者物価コア指数 前年同月比 (9月 2.2%、予想 2.2%)
24:00 (米) クオールズ米FRB副議長、下院金融委員会証言

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