トルコリラ円ショートコメント
まず先週の振り返りですが、チャンネルの中で引き続き底堅い動きを考え「20.40レベルをサポートに21.40レベルをレジスタンスとする週」を考えました。実際のレンジは、安値が20.53レベル、高値が21.33レベルとほぼ予想通りではありましたが、上下ともやや狭い値幅に留まりました。動きとしてはやや意外感があり、週初にいきなり買いが入り上昇チャンネルの上端を一時的に上抜ける場面も見られましたが、その後すぐにチャンネル内へと押しが入り、その後は緩やかに売りが出る週となりました。
先週のトルコリラは、週初の物価関連指標の落ち着きを好感したトルコリラ買いに始まったものの、ムーディーズが8日に出したレポートの中でトルコについて「向こう数四半期の間の経済への悪影響が顕在化する恐れがある」との見通しを示し「リラ安と金利上昇が打撃となり今後は来年前半までマイナス成長が続く可能性が高い」としたことで、いったん上昇に水を差した格好となりました。
しかし、それでも下げの勢いはそれほど大きいとは言えず、上昇チャンネルはいまだに維持していることを考えると、ムーディーズをはじめとするエコノミストの見通しは暗いものの、テクニカルにはいまだに上昇トレンドの中での推移を継続しており、積極的にはトルコリラを売る状況とはなっていないと言えるでしょう。
今週のトルコリラ関連の材料は、先ほど出た経常収支(予想よりやや低い)と15日の失業率ですが、どちらも上昇トレンドを変えるほどのインパクトは無いと言えます。引き続き20円の大台を割り込むような動きに繋がらない限り、トレンドに逆らって売るほどのことは無いという感じです。ただ、ここまでの上昇トレンドの息が長いためそろそろいったん踊り場を作りやすい流れになってきたとも言えます。
テクニカルにどのような状況となっているか、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
ピンクの平行上昇チャンネルは依然として有効であることがわかりますが、現行水準はちょうどチャンネルの中間点でどちらにも動きやすい位置でもあります。今週は先週の高値は抜けられない程度の調整局面と考え、20.30レベルをサポートとしつつ、21.10レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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