トルコリラ円レポート月曜版(2018年11月6日)

先週のトルコリラ円は、週初が安値、週末が高値とこれまでに上昇チャンネルの中で上側のラインに近い水準の中で終始安値を切り上げる流れとなりましたが、

トルコリラ円レポート月曜版(2018年11月6日)

トルコリラ円レポート月曜版

今週は1日ずれ6日火曜日執筆となっています。
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、底堅い上昇トレンドを継続する可能性が高く「19.50レベルをサポートに、20.50をレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が19.86レベル、高値が20.88レベルと予想レンジより更に底堅い展開を示した一週間となりました。

先週のトルコリラ円は、週初が安値、週末が高値とこれまでに上昇チャンネルの中で上側のラインに近い水準の中で終始安値を切り上げる流れとなりましたが、20円の大台にしっかりと乗せてきたこと、対ドルでも10月のドル安値(トルコリラ高値)を更新と、テクニカルにトルコリラ高の流れが加速している要因が大きいと考えられます。

また材料的には金曜でしたが、いったん調整で利食い売りが出ていたところに、米国がトルコの2閣僚に対する制裁を解除と、米国人牧師の解放を境に米国とトルコの関係も着実に改善に向かっています。金曜の引けと週明けの東京市場ではこのニュースを好感しトルコリラが一段高、NY市場では21.33レベルへと更に一段高の様相を見せました。

すでに結果は出ていますが、今週の注目材料としてはトルコの一連の物価関連指数の発表が月曜にあり、CPI、PPIともには予想の範囲内に落ち着いてきていることから、トルコ中銀の引き締めも今のところ徐々に効果が出始めている印象を与えています。油断はできないものの目先は悪材料が出尽くしたことで、再びトルコへ資金が回帰する動きが出ていると見てよいでしょう。

ここに至るまではトルコの経済状態とそれへの対応等、エルドアン大統領を中心とした政権への不信感と悪材料ばかりが目につきましたが、ポジション的にもトルコリラの買いポジションが減り、内憂外患の悪材料が少しずつ落ち着きと、あとから振り返ると8月末に2回目の安値をつけて以降は完全に底打ちパターンを経ての上昇トレンド入りとなっています。

逆に既に上昇トレンドに入ってから丸2か月が経過し、しかもきれいに上昇チャンネルの中での動きを続けていることを考えると、そろそろこのチャンネルをいつ下抜けしてもおかしくはないという段階に入り始めているとも言えるでしょう。こちらは昨日ですが、ムーディーズがトルコの減税政策に対して、信用の低下とリラ安を招く恐れがあると述べました。

今のところ目立った反応は出ていないようですが、テクニカルにも短期的にスピードが速い流れの中で、こうしたムーディーズのトルコリラに対するコメントは若干気がかりです。もともとトルコのアルバイラク財務相による景気刺激策やエルドアン大統領の発言など、明らかにおかしいのではないかと首をかしげるエコノミストが多い中でのトルコリラ買いの動きでした。

当面は上昇チャンネルを継続を考えざるを得ませんが、今後もし上昇チャンネルを下抜ける動きが出てきたら、その時は素直に下げのリスクを考え、いったんトルコリラ買いの動きから離脱することを念頭に、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版

トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足

ピンクの平行線で示した上昇チャンネルは9月第1週からすでに2か月続いていますし、このチャンネル自体ももう長い間引き直していません。昨日月曜のトルコリラ買いの動きでは、完全にチャンネル上側のラインに到達と短期的にはやや行き過ぎ感も感じられます。今週はこの上昇チャンネルのサポートラインが20円の大台に近づき上側のラインは21円台半ばへと水準を上げてきます。

このチャンネルの中で引き続き底堅い動きを考え、今週も20.40レベルをサポートに21.40レベルをレジスタンスとする週を見ておきますが、チャンネルの下抜けに繋がる20円の大台割れの動きが出てきた時には最大限の注意を払ってください。

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