トルコリラ円ショートコメント
まず先週の振り返りですが、政策金利引き上げが期待に沿った結果になると考え「16.90レベルをサポートに18.10レベルをレジスタンスとする週」を考えました。実際のレンジは、安値が16.94レベル、高値が18.57レベルと予想よりも大きな正咲君利引き上げとなったことでトルコリラが大きく水準を上げる週となりました。
トルコ中銀は13日の会合において、市場のコンセンサス22%水準を大幅に上回る24%の政策金利としました。利上げ幅は+6.25%と、短期的には市場を鎮めるには十分な決断であったと思いますが、邪魔をする人物がいます。エルドアン大統領です。
エルドアン大統領は、金利発表前に「インフレは中銀の引き締め政策が原因」と利上げをけん制する発言を行っただけでなく、利上げの翌14日には「我慢している段階だが、この忍耐には限りがある。中銀に対する忍耐は永久には続かない。」と引き締め政策に対して、今後何らかの対処をする可能性に含みを持たせる発言を行いました。
市場は大統領の発言に敏感に反応し、金曜でトルコリラ買いの動きはいったん終わったように見えます。せっかく中銀が大胆な政策金利引き上げを行った一部の効果をエルドアン大統領がダメにしたという印象です。トルコにしても米国にしても、どうも大統領というポジションはネガティブなことをやるという感じですね。
テクニカルにも今週は一大イベント通過後の踊り場になりそうですが、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
1か月前のトルコリラ急落とその後の安値とのレンジ内での動きを続けていますが、現在は大きな三角もちあい(ピンク)を形成中にも見えます。仮にそうだとすると、急落後のもちあいはコンティニュエイション(継続)パターンとして認識されることが多いため、再び下げに転じるリスクは常に考えておかなくてはなりません。少なくとも急落後の戻り高値を上回る動きが出て来ない限り、トルコリラ上昇の道は難しいと考えざるを得ないでしょう。
今週は先週高値圏をレジスタンスにしつつ、利上げ前の水準をサポートと考え、18.60レベルをレジスタンスに17.60レベルをサポートとする週を見ておきます。
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