ランド円レポート月曜版
先週の振り返りですが、レンジの中での動きを考えて「7.93レベルをレジスタンスに、7.52レベルをサポートとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.49レベル、高値が7.90レベルとほぼ予想通りにレンジの1週間となりました。
先週の南アフリカは、前半こそ底堅い動きでスタートしたものの、先週の羅針盤記事に書いた通り8月29日にアルゼンチンペソが急落した余波からランドも売りが強まる結果となりました。30日に発表されたPPIの数字が高かったことも懸念材料とはされましたが、アルゼンチンペソ急落の動きが大きく、他の材料にはあまり目が向かいませんでした。
そのアルゼンチンですが、政策金利を45%から60%へと15%もの緊急利上げを行いましたが、急落の動きは止まらず30日には41.469へと20%を超える暴落を見せ一日としては過去最大の変動幅をわずか一日で塗り替えることとなりました。このアルゼンチンペソの暴落と政策金利の緊急利上げ以外にアルゼンチン中銀は大規模な介入を行っていて、先週1週間で10億ドルと伝えられています。
また年初から考えると、140億ドル近い介入を行っていて外貨準備も大幅に落ち込んでいます。こうした一連の動きでもアルゼンチンペソの動きが今後も止まらない場合、市場ではアルゼンチンが9回目のデフォルトに向かうと見る向きが多く、他の新興国通貨に与える影響も当面は止まらない可能性が高く要注視と言えるでしょう。
まず、アルゼンチンペソのチャートをご覧ください。
先週は日足チャートをお見せしましたので、月足チャートです。
10年前の2008年9月の始値は3.0300、先週のアルゼンチンペソ安値は先ほど書いた通り41.469です。
ドル高の動きは10倍どころではなく14倍近いドル高・ペソ安です。さすがにランドはそこまでの動きは考えられませんが、トルコリラあたりではひょっとしたらあるかもしれないと思わせます。ちなみにドルトルコの2008年9月の始値は1.1847、先月のドル高値は7.2069と6倍強となっています。
さて、ランドに話を戻して今週は週初から経済指標が目白押し、製造業PMI、4〜6月期GDP、経常収支と続いています。こららも現状では悪材料に強く反応すると考えられます。
また、トランプ大統領が調査を命じた南アの土地収用問題については各所から批判も出ていますが、こうした発言をきっかけにして米国内の白人低所得者層の人気取りをしているというのが事実だと思います。大統領選の時に大きな支持者層であった彼らを味方につけることで中間選挙を有利に戦いたいというところでしょう。それでも、当面は前回に続く発言が出て来るかどうかも気にはしておくべきです。
南アを取り囲む材料は良くないものが多いのですがテクニカルにはどうでしょうか。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
先週と同じ青い水平線(8月安値とその後の高値、そしてその半値)を残してありますが、既に週末終値の段階でこれまでのサポートとなっていた半値をトライしています。水準としては78.6%(61.8%の平方根)押しにあたる7.29を試しやすい地合いにあると考えられます。また戻しは38.2%レベルの7.62を超える水準では戻り売りが出やすいと言えます(それぞれ黄緑の水平線)。
今週は、引き続き上値の重たい展開を考え、7.65レベルをレジスタンスに7.30レベルをサポートとする週を見ておきます。
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