トルコリラ円ショートコメント
先週の振り返りですが、急落後ということで予想を立てるのが困難でしたが、レンジを広めに取って「19.00をレジスタンスに15.00をサポートとする週」を考えました。実際のレンジは、安値が15.42レベル、高値が19.41レベルと予想よりも若干トルコリラ高ではあったものの、4円の値幅が一致したという点は新興国通貨で荒れ相場を経験してきたことが役立ったかもしれません。
先週のトルコリラは、週初こそ続落でスタートしたものの、その後は徐々に落ち着きを取り戻し、前週金曜急落の値幅をほぼ取り返す水準にまで切り返しました。しかし金曜の大手格付け会社の格付け見直しを嫌気した売りが入り、18円台前半での週末クローズとなっています。格付け見直しは市場参加者の予想通り引き下げられ、S&PがB+。ムーディーズがBa3(BB−相当)へと1ノッチの引き下げとなりました。
今週は明日から金曜までイスラム教の祝日で休みとなりますが、本日も前夜祭があり実質的に一週間を通して休みという状態です。前後週末の間、月曜だけ営業日でもやる気が出ないのは万国共通です。そうなるとトルコ国内からの取引はありませんので、おそらく世界最大の取引は本邦個人投資家となる可能性があります。
買われれば大きな動きは出ないでしょうが、逆に売られる時には流動性が極端に低下している中で荒れる可能性もあります。
大手格付け会社が引き下げた後ということもあって、戻り売りが出やすい流れにありますので、トルコからのニュースは出ないにしても、米国からにせよ欧州からにせよトルコにとってネガティブなニュース等が出てきた場合には警戒すべき一週間となります。
材料的には特にありませんので、テクニカルな観点からのみコメントを加えておきます。今週はいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
暴落の動きが見られた直近2週間の動きをチャートから追ってみます。
2週前の高値21.84から先週月曜安値15.42への下げに対して、先週の戻り高値19.41は61.8%戻しの19.39とほぼ一致しました。また先週安値と先週高値の半値押し17.41は金曜安値の17.29とほぼ重なる水準です。目安としてフィボナッチのリトレースメントが結構効いている2週間であったと思います。
ここからの動きを考えると大台20円は強力なレジスタンスで、現状同水準まで戻すことは考えにくく、先週高値圏が今週もレジスタンスとなりやすいと見た方が良さそうです。
いっぽう下値は、流動性低下から要注意とはいうものの何も無ければ、先週の安値から高値への61.8%押し16.94がひとつの目安となりそうです。
今週は、何も無ければ19.50レベルをレジスタンスに、17.00レベルをサポートとする週を見ておけば良さそうですが、ネガティブなニュースがあった場合には、その下の大台16.00水準までの下げは考えておく必要があるでしょう。
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