トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコが週を通して祝日となることもあり、何も無ければ「19.50レベルをレジスタンスに、17.00レベルをサポートとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が17.80レベル、高値が18.50レベルと、思った以上に安定した狭いレンジ内での取引に終始した一週間となりました。
先週のトルコは、イスラム教の祝日としては最大規模の犠牲祭(クルバンバイラム)にあたり週を通して祝日となりました。月曜夜から前夜祭が始まり金曜までですから実質的に一週間休みと同じです。最近のトルコリラは荒れていただけに、長期祝日による流動性低下が、何かあった場合に大きく動くリスクに繋がると警戒されていましたが、終わってみれば何事もなく無事に通過したというところです。
今週は長期休暇明けで流動性はある程度戻りますが、トルコを取り囲む悪材料自体が消えたわけではありませんので、先週動いていなかったからという油断は禁物です。
材料的には、経済指標は貿易収支を除いてはあまり目立ったものがありませんが、シリア北西部を巡りトルコとシリアとの間での軍事的な緊張が高まっています。シリアはトルコが派兵していることに反発を強めていて、現地では一触即発の状態と伝えられています。
また、米国人牧師がいまだ解放されていないことから、米国は先日の関税引き上げに加えて追加で制裁をする可能性も否定できません。シリアとの緊張からトルコはロシアに近づいていることも米国にとっては面白くないでしょうし、また突然トランプ大統領が何かを突き付けるのではないかという懸念が消えません。そうなると、いったん安定を見せているトルコリラにも再び売りが入る懸念が消えないこととなります。
休み明けでこれといったトピックスもありませんので今週は短めに、早速チャートを見てみましょう。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
いかに先週が穏やかだったかがわかりますが、トルコリラ円もドルトルコリラも史上最安値をつけた後の戻り高値とその半値との間での膠着状態に見えます。トルコリラ円で言えば17.41と19.41との間となります。さらに現行水準はその中央値と今週もこのレンジは上下ともに抜けにくいのではないかと考えられます。
静かな週の後ということで油断は禁物ですが、今週も基本的にもみあいを継続しやすく17.40レベルをサポートに19.40レベルをレジスタンスとする週を考えておきます。
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