ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返りですが、ランド円は上昇トレンドの継続を前提に「8.35レベルをサポートに8.65レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が8.24レベル、高値が8.55 レベルと、週前半は底堅い動きをしていました、週後半はランド安と円高と双方が対ドルで逆に動いたことで前週安値圏へと押しての引けとなりました。
先週の南アランド関連のニュースは、18日のCPIと19日の政策金利発表でしたが、CPIは前月よりは高いものの予想よりは若干低め、政策金利は予想通り現状維持の6.50%となりました。ランドは政策金利発表まで8.4台後半を中心に動意薄の展開が続いていましたが、金利発表を前に欧州市場序盤にドルランドでのドル買い・ランド売りの動きが出始めていました。そして、発表後は更にランド売りが進みランド円も8.30割れ。
そして、木曜、金曜と2日続けてのトランプ大統領によるドル高牽制発言はドル円での影響の方が大きかったため、ランド円は安値圏で上値の重たいまま週末クローズとなりました。政策金利発表後のランドの動きは、金利よりもその声明内容の影響が大きく今年と来年の南アフリカの成長を下方修正したことが原因です。この見通し悪化の理由として世界的な貿易摩擦を上げていますが、中国との貿易が大きい南アフリカにとっても米中間の貿易摩擦激化は影響大という見方をせざるを得ないのでしょう。
今週の南アフリカは、材料としては26日のPPI、そして26〜27日のBRICSサミットです。PPIは前年同月比で前回が4.6%、今回の予想が5.2%とやや高めの数字となっていますが、コンセンサスから大きくずれない限りあまり影響は無いでしょう。またBRICSサミットは南アフリカで開かれますが、中国からは習近平国家主席、ロシアからはプーチン大統領と大物が集まります。
米国と中国の貿易摩擦が激化する中で、中国との貿易が最大な南アフリカにとっても中国と足並みを揃えて保護主義に反対する動きが出て来るのは確かでしょう。更にはロシアも絡めてWTOの多国間自由貿易ルールを推進することを訴えるとされています。それに対して米国が何らかの反応をするかどうか、米国にとっては南アフリカは目に入らないでしょうが、中国という最大の交渉相手がいるサミットとなるだけに注意は必要だと思います。
(ZAR/JPY 日足)
次にテクニカルな観点ですが、2月の年初来高値9.29から6月の年初来安値7.88への下げに対しての半値戻しが8.58ですが、先週高値8.55はほぼ同水準で、テクニカルにはいいところで反転したというチャートです。すると年初来安値から先週高値に対する押しを見ると、半値押しが8.21となっていて現在は同水準を落ち着きどころとした動きを模索していると見ることができます。
この前提で下図4時間足チャートをご覧ください。
4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)
よく見ると半値押しの水準は6月中旬から7月初めにかけての高値圏でもあり、ここまで押すと直近の上げに対するポジション調整も終わりという感じですが、多少の誤差も考え61.8%押しの8.13レベルも下値押しの候補として考えておきたいところです。いっぽうで上値の戻しは政策金利発表前の8.40あたりから上値が重たくなってくると考えられます。
今週は、先週後半の動きを継続しやすく8.40レベルをレジスタンスに8.15レベルをサポートとする流れを見ておきますが、念の為BRICSサミットの状況は注視したいと思います。
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