トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、トルコリラ円は戻り売りが出やすいと考え「28.10レベルをレジスタンスに、27.50レベルをサポートとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が26.95レベル、高値が28.06レベルと予想よりも大きく下値を拡げ史上最安値を連日更新する動きとなりました。
先週は前週にムーディーズが格付けを引き下げたことが後からじわじわ効いてきたという感じでしょうか、先週のコメントでは「既にジャンク(投資不適格)ですからマーケットへの影響は特に見られませんでした」と書いたのですが、思いのほか影響があったようです。またシリアのクルド人地区への攻撃も悪材料となっていましたが、週末にアフリン地区のテロ制圧を宣言したことから、今後は悪材料から後退するイメージかもしれません。ただ、引き続き注意は必要です。
現在のトルコリラは対円では史上最安値ですが、ドルトルコリラにおけるトルコリラ安の進み方も急で史上最安値3.9820(昨年11月)をターゲットとした値動きにあり、更にはその先の大台4.0の背中も見えてきたというのが現在のチャートです。
対円でも下げ足が速くなかなか底が見える状態ではありませんし、先週もレンジが1円を超えていることを考えると、本邦個人投資家のトルコリラ円の買いが膨らんでいる状況下では一段の下げに注意する必要がありそうです。日足、週足でも参考となるような水準は見出せませんので、今回は月足チャートを使います。
トルコリラ円 月足
ピンクの逆N波動の下げは、10年前の高値99.58を起点とし、その後の2011年までの下げと2013年の戻しをベースにしたフィボナッチ・エクスパンションです。50%エクスパンションが26.85とほぼ現在の水準、そして61.8%エクスパンションは19.87と20円の大台と重なります。さすがに後者はターゲットとして現段階では不適当だと思うものの、流れはそちらという認識は持っていたほうがいいかもしれません。
今週も広めのレンジを想定し、27.50レベルをレジスタンスに、26.50レベルをサポートとする週を見ておきます。
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