トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円はテクニカルな下抜けが当面はトルコリラの下押し材料とされやすく「27.90レベルをレジスタンスに、下値は27.30レベルをサポートとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が27.51レベル、高値が28.08レベルと、思いのほか売り圧力は強まらずもみあいの一週間となりました。
先週のトルコの材料としては、高めのCPI、政策金利は現状維持、ムーディーズが格付け引き下げといったところです。まず5日のCPIですが前回に比べれば下がったものの予想より太は高く依然インフレ懸念が残るといったところでしょうが、7日にトルコ中銀は予想通り主要金利をすべて現状維持としています。しかし、トルコ中銀自体は引き続き「インフレ率が持続的に低下する兆しが表れるまで流動性を引き締め気味に維持する」と述べていますので、今後の数字次第では利上げも選択肢というところでしょうか。
また同じ7日にムーディーズがトルコの格付けを1ノッチ引き下げBa2としました。しかし、引き下げ前のBa1でも既にジャンク(投資不適格)ですから、中銀の発表ともにマーケットへの影響は特に見られませんでした。
これらのニュース等とは関係なくトルコリラは週初に史上最安値を1銭だけ下回った後は、比較的堅調な動きをしていました。最近は、ここ2週間ほどドルトルコリラがもみあいを続けているのに対して、ドル円が前週は円高の動き、先週は円安気味の動きと、ドル円の動きと大体似たような値動きを辿りました。基本的にリスクオン・リスクオフの動きということになりますが、高金利通貨と低金利通貨との対照的な動きが先週も続いたと言えるでしょう。
今週は細かい経済指標も含めるとFX羅針盤のトルコリラのページの一番下にもある通り、12日に経常収支、15日に失業率、財政収支、16日に鉱工業生産といった指標が発表予定です。ムーディーズの格付け引き下げ理由に「対外債務の増加や政治リスクの高まりなどを背景とした借り換えコストの増大で、経常赤字がさらに膨らむリスクを考慮」とあることから、経常収支を気にする人もいるようですが、ムーディーズは見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更しましたので、当面は織り込み済みということでよさそうです。今週は失業率と財政収支の発表される15日がトルコの材料では注目されます。
今週は細かい経済指標も含めるとFX羅針盤のトルコリラのページの一番下にもある通り、12日に経常収支、15日に失業率、財政収支、16日に鉱工業生産といった指標が発表予定です。ムーディーズの格付け引き下げ理由に「対外債務の増加や政治リスクの高まりなどを背景とした借り換えコストの増大で、経常赤字がさらに膨らむリスクを考慮」とあることから、経常収支を気にする人もいるようですが、ムーディーズは見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更しましたので、当面は織り込み済みということでよさそうです。今週は失業率と財政収支の発表される15日がトルコの材料では注目されます。
他にもシリアにおけるテロへの攻撃は収まるどころか更に先へと進むことをエルドアン大統領自ら発表するなど、トルコリラ視点ではなかなか買う材料は見当たりません。いっぽう円については森友問題が今後どのようになっていくかリスクオフ材料となりやすいことを考えると、今週もトルコ円は上値が重たい週とならざるを得ないでしょう。
次にテクニカルな観点から見てみます。今週はいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
現在のトルコリラ円はピンクの平行線で示した下降チャンネルの中を緩やかに下げていて、週初の水準はこの上限に近いところに位置しています。ここで反落するとかなり弱い動きということになりますし、多少抜けたとしても前週高値の28.27レベルを明確に上抜けるまでは下降トレンドを継続していると考えるべきです。
今週もトルコリラ円は戻り売りが出やすいと考え、28.10レベルをレジスタンスに、27.50レベルをサポートとする週を見ておきます。
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