<< 東京市場の動き >>
週明け12日の東京市場は、上下に振れる荒れた値動き。値幅は60ポイントほどで決して広くはなかったが、そのなかで上下動を繰り返すなかなか激しい変動をたどっている。
ドル/円は106.60円レベルと、先週末のNYクローズよりもドル安・円高で寄り付いた。週末に報じられた「財務省、『森友決裁文書』の書き換えを認める方針」ならびに、安倍政権支持率低下報道が嫌気されていたという。しかし、日経平均株価が400円を超える上昇をたどったことから、一転してドル買いが強まると一時は107円近くまでの反発を見せた。
ただ、ドル高の流れも続かず。「森友文書」問題について、「財務省が森友文書の書き換えを認めた」、「昭恵夫人の名前も削除、書き換え認める調査報告」−−などといった報道が相次いだことが嫌気されると、再びドル売り・円買いが優勢となり日中安値の106.35円レベルへ。結局、16時時点では小戻した106.60-65円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、まず前述した「森友文書」問題。
それを除くと「北朝鮮情勢」、そして「米輸入制限」関係のニュースや発言などが話題に。前者については、中央日報が「韓国の対北特使団が米ホワイトハウスで訪朝結果を説明したなか、金労働党委員長が『米国が望む非核化』に言及したことを伝えた」と報じた一方、後者は「中国の鐘商務相が世耕経産相とも近く会談する計画で、各国との連携に道を見いだそうとしている」との報道、韓国企画財政相による「米輸入制限に可能なすべての措置を講じる」との発言などが聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
本日の東京時間をみると、「森友文書」問題がドル高・円安の足かせになっていたことは間違いない。
ただ、報じられている様々な内容を詳細に見てみると、必ずしも「リスク回避の円買い」一辺倒の材料ではない気もしないではない。その最たる例は、産経新聞が報じた世論調査の結果で、それによると「内閣支持率下落45%、麻生氏は辞任すべき71%」となっている。前者の支持率はまだ危機的レベルに達していないが、後者の数字は予断を許さない。仮に、安倍政権の屋台骨でありかつ通貨政策の所管大臣の「進退」にでもなれば、単純なリスク回避の円買いではなく、逆に「日本の政治不安による円売り」となっても不思議はなさそうだ。
テクニカルに見た場合、値動きそのものはなかなか激しいが、それでも大局的にはレンジ内。先週末に発表された良好な米雇用統計の発表を受けても107円をクリアに超えられなかった反面、本日東京も「森友文書」問題の進展があったにもかかわらず、下値は106.35円レベルまで。つまり、予断は許さないが、大雑把に行って106円台を中心とした値動きがこのあとも続く可能性を否定出来ないだろう。
一方、材料的に見た場合、本日は目立った米経済指標の発表などは予定されていない。ただ、米財務省3年と10年債の入札が実施される見込みで、そちらには一応要注意。
明日に今週の注目材料のひとつ、「米ペンシルベニア州下院補欠選」が予定されていることもありやや動きにくい雰囲気だが、先週末に実施された「米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と世耕経産相による米関税問題に関する意見交換」が週明けに再び行われるとされるだけに、状況如何によっては相場変動の材料となることもありそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.10-107.10円。ドル高・円安方向は、先週末から本日に掛けて数回トライするもしっかりと超えられない107円前後が最初の抵抗で、抜ければ移動平均の25日線などが位置する107.15円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の転換線が位置する106.35-40円の攻防にまず注視。ただ、下回っても106.20円レベルは時間足ベースでなかなか強いサポートとなっているなど、大崩れは予想しにくいイメージだ。(了)
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