トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコ円は「やや上値の重たい展開を考え、27.75レベルをサポートに、28.65レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が28.09レベル、高値が28.48レベルと、週間値幅はわずか39銭、最近のトルコ円にしてはかなり狭いレンジの中での取引が続きました。
先週のトルコの材料は、依然として続いているアフリン(シリアクルド人地区)で展開している攻撃に対して、シリア軍が反撃しているとのニュースに20日にトルコリラが対ドル、対円で売られる場面が見られましたが、直後にトルコの外務大臣はニュースを否定し、下げる前の水準に戻す動きが見られました。
しかし、週後半はドル円での円高がトルコリラ円の上値を抑え、28円の大台こそ割らなかったものの週間安値に限りなく接近し狭い値幅での取引のまま週末越えとなりました。いまだポジション的には日本の個人投資家を中心としたトルコリラ円での買いポジションは大きいままで、今後のレバ規制に対する懸念もあって上がったところでは売る向きも出てきているように思えます。
現在、トルコリラ円を提供しているFX業者はかなりの数に上りますが、現在のレバレッジ上限(25倍)と懸念されるレバレッジ(10倍)との間での高めのレバレッジでトルコリラを取引している投資家の数も一定の割合がいると考えられます。以前、特に通貨ペアを絞ったわけではありませんが、だいたい3人に1人が10倍以上のレバをかけて取引しているとのアンケート結果がありましたので、今後の規制の進み具合によっては上値を抑える大きな要因となる可能性がある点には注意が必要でしょう。
また23日にS&Pが新興国の格付けを一斉に発表しましたがトルコは変化なしで相変わらずジャンク。これは目立った変化が無いから当然の結果ではありますが、目についたものとしてロシアが2006年以降12年ぶりにジャンクから投資適格へと格付けが引き上げられたとのニュースが目立ちました。いっぽうでブラジルなど格付けを引き下げられている国もあり、新興国どうしでの投資資金移動といった動きも引き続き出そうだなと思わせる週末でした。
今週は引き続き目立った材料もありませんので、久しぶりに長期のトルコリラ円の動きでもチャートから見てみたいと思います。
トルコリラ円月足
月足チャートで2017年の高値から現在までの動きです。過去10年間のチャートを見るとほぼ下げ続けている歴史とも言えるのですが、その中で下降波動の動きを考えるとなると2017年高値から2011年安値までの下げ、その後の2013年高値への戻しを各点とした逆N波動と見えなくはありません。そして、2011年安値を2015年に下抜けてから現在までが下げの動きにあることとなります。
この2015年に安値を抜けてからもじりじりと下げ続けているトルコリラ円は史上最安値という下値目途をつけにくい流れが続いていますが、仮に上記逆N波動からフィボナッチ・エクスパンションでターゲットを求めると50%エクスパンションが26.85となっていることがわかります。かなり長期の動きですからある程度の誤差は考えなくてはいけませんが、27円割れという水準が現在の下げのひとつのターゲットとなりそうです。
もう少し細かく週足程度で見るのも良いと思いますが、今週は長期月足チャートで考えたトルコリラ円の下値目途ということになります。それでは、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円四時間足
先週こそ横方向への動きで方向感が無いもみあい相場となりましたが、トレンドはいまだピンクの平行線の下降チャンネルに示されるトルコリラ安にあります。先週も安値圏に張り付いた状態で引けていることを考えると、今週は先週の高値圏をレジスタンスに、下押しが入りやすいチャートと言えるでしょう。
今週も上値の重たい展開を考え、27.70レベルをサポートに、28.40レベルをレジスタンスとする一週間を見ておきます。
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