ランド円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、ランド円は「ズマ大統領は辞任せず時間をかけて追い詰められていくという流れを想定し、サポートとしては8.85レベル、レジスタンスは9.25レベル」としました。実際のレンジは、安値が8.88レベル、高値が9.20レベルとほぼ予想通りの動きとなりました。
先週は10日に与党ANCの全国執行委員会が開催され、同大会でズマ大統領の進退がどうなるのかが注目されました。前日にはズマ違いで米国の軍事衛星ズマが打ち上げに失敗し行方不明というニュースを混同し数分の間に乱高下する場面も見られましたが、全国執行委員会ではズマ大統領の退陣は求められず、ランドにとっては悪材料となりました。
13日には与党ANCの結党記念日でラマポーザ副大統領が演説を行いましたが、ここでも特にズマ大統領に関する発言は見られませんでした。今後も各所でズマ大統領の退陣を求める動きは出て来ると思われますが、現状はいったん小休止の場面といった印象です。また円がらみのニュースでは日銀の買いオペ減額と中国の米国債購入減額検討(後に否定)とのニュースも重なり、週を通してランドの上値が重たい一週間であったと言えます。
今週は18日に南ア中銀の政策金利発表がありますが、こちらは6.75%と現状維持がコンセンサスとなっていますし、前回の会合でも全会一致で現状維持となっていましたので、サプライズは考えにくいでしょう。何か出て来るとすれば引き続き、ズマ大統領退陣関連ニュースでしょうか。
それではチャートもご覧ください。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)です。
ランド円、ドルランド、ドル円四時間足
いったん12月27日の9.24で短期的な高値をつけ、現在は高値圏でのもみ合いの段階となっています。
既にズマ大統領退陣は時間をかけてという見方になってきていますので、そうした点ではあまり大きな悪材料もなく、このまま反転下落という流れにはなりにくいでしょう。
今週も基本的に高値圏でのもみあいを継続しやすく、8.80レベルをサポートに、9.15レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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