トルコリラ円レポート月曜版(2018/1/15)

それまでのトルコに対する好材料が一巡し、それ自体は大きな材料では無いものの6回目の非常事態再延長というあたりから、利食い売りが上昇トレンドを反転させる

トルコリラ円レポート月曜版(2018/1/15)

トルコリラ円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「上昇チャンネル内での動きを考え、29.80レベルをサポートに、30.50レベルをレジスタンス」としました。実際のレンジは、安値が29.21レベル、高値が30.30レベルと、大幅に下げる動きとなりました。

それまでのトルコに対する好材料が一巡し、それ自体は大きな材料では無いものの6回目の非常事態再延長というあたりから、利食い売りが上昇トレンドを反転させる動きとなりました。特に週前半はトルコリラ売りが先行する中で、日銀の買いオペ減額と後に否定されたものの中国の米国債購入縮小検討による円買い材料とが重なって、30円の大台をあっさりと割り込み、その後も上値の重たい展開が続きました。

それ以外では、年初からエルドアン大統領はEUに対して軟化姿勢を示していますが、米国とはビザ発給再開のいっぽうで、12日には米国への渡航に対して警告を発令しました。これは米国がトルコへの渡航見直し勧告(危険度3)への対抗措置ですが、米国とトルコとの関係は相変わらずぎくしゃくしているため、今後もトルコリラにとっては悪材料とされる可能性があり、今後も見守る必要がありそうです。

他には目立った材料はありませんでしたが、こうしたことが短期的に利食いの動きにつながり、下押し材料とされていたようです。今週は、トルコ関連の指標やイベントでは重要なものが見られます。まず、15日に失業率、そして最も注目されるのが18日の政策金利発表です。

トルコ中銀は、引き締め政策を継続し状況次第ではいつでも一段の利上げを実施するスタンスを取っていますが、1月3日に発表されたトルコの12月CPIは前年比11.92%と、まだまだ高いものの前の月の12.98%からは低下しています。前回12月14日の政策金利は、この12.98%というCPIを受けても後期流動性貸出金利のみ0.5%引き上げて12.75%としたことを考えると、今回は現状維持のままがコンセンサスです。

政策金利が現状維持でも発表後の声明内容によっては一時的に上下に振れる可能性もありますので、18日日本時間20時の政策金利発表は要注意です。

次にテクニカル観点からチャートを見てみます。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

     トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足

     トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足

やや長めに11月下旬からのチャートとなっています。

こうして見ると11月28日安値27.98からの上昇トレンドが終わったとは言えないものの、1月8日高値の30.30で短期的にはいったん高値をつけた格好になっています。安値から高値までの半値押しが29.14となっていて、先週の安値29.21でほぼ違い水準まで押したこととなります。

上昇トレンドとしてはピンクの平行線で示した上昇チャンネルの中での推移をしつつも、引き続き半値押しの29.14から61.8%押しの28.87、つまり29円前後は下げてもおかしくはありません。ただ同水準まで下げて来ると、平行チャンネルも引き直すこととなり、30円の大台がいったん売り場となる流れへ転じる可能性が出てきます。

いずれにしても政策金利発表の18日がキーとなりそうです。今週は上記サポート圏にあたる29.00レベルをサポートに、大台30.00をレジスタンスと、先週のレンジをやや切り下げる展開を考えておきます。

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る