トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「上昇チャンネル内での動きを考え、29.80レベルをサポートに、30.50レベルをレジスタンス」としました。実際のレンジは、安値が29.21レベル、高値が30.30レベルと、大幅に下げる動きとなりました。
それまでのトルコに対する好材料が一巡し、それ自体は大きな材料では無いものの6回目の非常事態再延長というあたりから、利食い売りが上昇トレンドを反転させる動きとなりました。特に週前半はトルコリラ売りが先行する中で、日銀の買いオペ減額と後に否定されたものの中国の米国債購入縮小検討による円買い材料とが重なって、30円の大台をあっさりと割り込み、その後も上値の重たい展開が続きました。
それ以外では、年初からエルドアン大統領はEUに対して軟化姿勢を示していますが、米国とはビザ発給再開のいっぽうで、12日には米国への渡航に対して警告を発令しました。これは米国がトルコへの渡航見直し勧告(危険度3)への対抗措置ですが、米国とトルコとの関係は相変わらずぎくしゃくしているため、今後もトルコリラにとっては悪材料とされる可能性があり、今後も見守る必要がありそうです。
他には目立った材料はありませんでしたが、こうしたことが短期的に利食いの動きにつながり、下押し材料とされていたようです。今週は、トルコ関連の指標やイベントでは重要なものが見られます。まず、15日に失業率、そして最も注目されるのが18日の政策金利発表です。
トルコ中銀は、引き締め政策を継続し状況次第ではいつでも一段の利上げを実施するスタンスを取っていますが、1月3日に発表されたトルコの12月CPIは前年比11.92%と、まだまだ高いものの前の月の12.98%からは低下しています。前回12月14日の政策金利は、この12.98%というCPIを受けても後期流動性貸出金利のみ0.5%引き上げて12.75%としたことを考えると、今回は現状維持のままがコンセンサスです。
政策金利が現状維持でも発表後の声明内容によっては一時的に上下に振れる可能性もありますので、18日日本時間20時の政策金利発表は要注意です。
次にテクニカル観点からチャートを見てみます。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
やや長めに11月下旬からのチャートとなっています。
こうして見ると11月28日安値27.98からの上昇トレンドが終わったとは言えないものの、1月8日高値の30.30で短期的にはいったん高値をつけた格好になっています。安値から高値までの半値押しが29.14となっていて、先週の安値29.21でほぼ違い水準まで押したこととなります。
上昇トレンドとしてはピンクの平行線で示した上昇チャンネルの中での推移をしつつも、引き続き半値押しの29.14から61.8%押しの28.87、つまり29円前後は下げてもおかしくはありません。ただ同水準まで下げて来ると、平行チャンネルも引き直すこととなり、30円の大台がいったん売り場となる流れへ転じる可能性が出てきます。
いずれにしても政策金利発表の18日がキーとなりそうです。今週は上記サポート圏にあたる29.00レベルをサポートに、大台30.00をレジスタンスと、先週のレンジをやや切り下げる展開を考えておきます。
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