ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は「高値圏でのもみあいを継続しやすく、8.80レベルをサポートに、9.15レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が8.94レベル、高値が9.18レベルと、思った以上に底堅い値動きを見せました。
先週のランド円は、18日の政策金利発表と与党ANCのトップ会談の2つが大きなイベントとなりました。政策金利はコンセンサス通り6.75%で現状維持となりましたが、後者のANCのトップ会談はズマ大統領に引導を渡すためのANC幹部6人による会談とのことで、ズマ大統領もいよいよ退陣が近いかとの思惑でランド買いの動きとなりました。
ランド円は前週も9円の大台以下では底堅い動きをしていましたが、上記2つのイベントを前に既に9円の大台を回復、その後思惑買いでランドは18日の内に9.17レベルまで上昇しました。
ANC幹部6人というのは12月の党大会で決定した幹部6人(通称、トップ6)のことで、ラマポーザANC議長を筆頭として、マブザ副議長、マンタシェ事務局長、マガシュレ事務局長、デュアルテ副事務局長、マシャティレ財務担当の6人です。日本の自民党総裁選と党三役を含めた幹部といった面々だと思えば、それほど間違いはないところです。
そして、今後のズマ大統領の進退はこの6人が決めるという流れのようですが、これまでもなんだかんだ言って退陣の波をすり抜けてきた同氏のことですから、そうすぐには決まらないと思っていたほうがいいのではないかという気がしますが、週明けの早朝相場では退陣思惑が一段と高まったことにより、ランドは対ドル、対円ギャップを空けての上昇で始まりました。
ドルランドは昨年のドル安値(ランド高値)を下抜けたことで、テクニカルにもランドが買われやすい地合いとなってきましたが、本日のランド高値12.0365は2015年5月以来の水準となっています。ドルランドの週足チャートをご覧ください。
ドルランド週足
2016年高値から2017年安値、その後の2017年高値への戻しから逆N波動を考えることが出来ますが、フィボナッチ・エクスパンションで求めるここより下のターゲットとしては、50%エクスパンションの11.8200、61.8%エクスパンションの11.1710と引き続きランド高の動きが長期的には予想されます。
ズマ大統領退陣、2月の予算案を経てのムーディーズ格付け発表で格付け維持といったあたりがランド買いの大きなニュース候補となりますが、テクニカルにはどうもその流れにあるのではないかと感じさせるランド高の動きです。
次にいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)も見てみましょう。
ランド円、ドルランド、ドル円四時間足
早朝の上げで先週高値に並んだところで止まっていますが、9.20レベルは年明けも上昇を止められた水準で、更にそのすぐ上には12月高値の9.24という大きなレジスタンス兼ターゲットもあります。ドル円でも円高傾向があるため、ドルランドほどの勢いは無いとはいうものの、この9.24が短期的なターゲットとなってくると考えられます。
今週は大台9.00をサポートに、12月高値に近い9.25レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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