ユーロ高の年初。昨年高値をトライか(週報1月第一週)

昨年のユーロドルを振り返ると、年初に安値の1.0340レベルをつけ、その後はほぼ一貫してユーロ高の動きとなり、

ユーロ高の年初。昨年高値をトライか(週報1月第一週)

今週の週間見通しと予想レンジ

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

先週のユーロドルは、25日のクリスマスと26日が欧州市場で休場となったことから、週前半のユーロの動きは低調な状況となりました。欧米勢にとってはクリスマス休暇明けが新年入りといった感覚もあり、27日からはさっそく動きが出始め、北朝鮮のリスクオフの動きと実需のユーロ買いの動きが重なって、最終日には1.2025レベルと年始来高値の1.2092を伺う展開での年末クローズとなりました。

昨年のユーロドルを振り返ると、年初に安値の1.0340レベルをつけ、その後はほぼ一貫してユーロ高の動きとなり、9月に高値をつけて以降は11月に1.1553レベルまで押しが入ったものの年末に向け、再びユーロ高の動きに戻ったと考えられます。9月から12月にかけては、スペインのカタルーニャ独立問題やドイツの連立協議をテーマに、ユーロはいったん高値をつけた可能性を考える向きも増えましたが、結局はユーロ買いに戻っています。

これは、ユーロ圏全体に経済指標が示すように景気が回復してきていること、またドイツがCDU+SPDによる大連立が見えてきたことで、当面の不安要素がひとつ消えたことが大きかったと思います。スペインのカタルーニャ独立問題は今後もテーマとしては出て来るでしょうが、英国のスコットランド同様にユーロ圏の大国において一地方が独立するということは簡単には実現できないことと考えられます。

さて、年明けのユーロドルは早速買いが入り2日のアジア市場で年末高値を超えてきています。今週は経済指標をPMI確報値を除くと重要指標も少なく、雇用統計までに勢いがつけば昨年の高値を超えて来るでしょう。テクニカルにも強い地合いを維持していることから第1週での高値更新の可能性は高いと考えています。

日足チャートをご覧ください。

今週の週間見通しと予想レンジ

*日足チャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

サポートについては11月安値と12月安値を結んだサポートラインに異議は無いところですが、レジスタンスについてはいくつかのラインを引いてみました。まず細いピンクの上昇ラインですが、これは10月高値と11月高値を結んだラインでちょうど現在の高値に位置しているため、ここで抑えられるというよりもトライして抜ける可能性のほうが高いと思えます。

また太いピンクのラインはサポートラインに平行に引いたラインですが、現状ではま距離があり、細いピンクの水平線が示す2017年高値の方がレジスタンス兼ターゲットとしては有効と思われます。また11月安値から11月高値への上げ、その後の12月安値までの押しをN波動と考えてフィボナッチ・エクスパンションを計算すると100%エクスパンションンが1.2125となっていて、今回の上昇のターゲットとしては1.21前後の水準がターゲットとなりやすいと考えて良さそうです。

今週は雇用統計前に昨年高値をトライする動きを考え、1.1950レベルをサポートに、1.2100レベルをレジスタンスとユーロ買いが進む動きを考えておきます。

今週のコラム

今週の予想でもユーロ高を見込んでいますが、長期的に2018年は大きくユーロ高が進む可能性があります。そのためにはユーロの材料だけでなくドル安の材料も必要となりますが、テクニカルにはユーロが大きく上昇する可能性を考えずにはいられません。

年初のコラムでは長期的なユーロドルの動きについて見てみることとします。

              ユーロドル月足

              ユーロドル月足

現在のユーロドルは2014年の高値からの動きとして、2015年から2017年始めまでの間にピンクの点線で示したトリプルボトムの反転パターンを形成したと考えられます。

昨年9月以降の動きは短期的には悩ましい動きとなりましたが、長期的にはトリプルボトムの完成と考えると2014年高値と2017年安値の61.8%戻しにあたる1.2602レベルをターゲットとしやすいと言え、またこの水準は2017年安値と9月高値、その後12月の押しをN波動と考えた場合のフィボナッチ・エクスパンションでの61.8%エクスパンション1.2628ともほぼ一致することとなります。

その手前に2014年高値と2017年安値の半値戻しにあたる1.2172という大きなターゲットはありますが、年末年初の動きを考えると9月高値を超え、まずはこの1.2172ターゲットをトライ、その後1.26台前半を長期的なターゲットとする動きが見えてきそうです。昨年高値を超えてきたときには、今回コラムの予想を思い出していただければと思います。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

1月1日(月)
**:** 全ての主要市場は休場

1月2日(火)
**:** 東京市場休場
10:45 中国12月MarkIt製造業PMI
17:50 フランス12月製造業PMI確報値
17:55 ドイツ12月製造業PMI確報値
18:00 ユーロ圏12月製造業PMI確報値
18:30 英国12月製造業PMI

1月3日(水)
**:** 東京市場休場
17:55 ドイツ12月失業率
18:30 英国12月建設業PMI

1月4日(木)
10:45 中国12月MarkItサービス業PMI
17:50 フランス12月サービス業PMI確報値
17:55 ドイツ12月サービス業PMI確報値
18:00 ユーロ圏12月サービス業PMI確報値
18:30 英国12月サービス業PMI

1月5日(金)
16:45 フランス12月消費者信頼感
19:00 ユーロ圏12月CPI速報値
19:00 ユーロ圏11月PPI
22:30 米国12月失業率

前週のユーロレンジ

      始値  高値  安値  終値

ユーロドル 1.1852 1.2025 1.1842 1.1998
ユーロ円 134.25 135.51 134.10 135.21

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

前週のユーロ

12月25日(月)
 クリスマスのため東京を除く主要市場はすべて休場となり東京時間も閑散な取引が続きました。

12月26日(火)
 東京、NYを除いた主要市場が休場となり前日に続き閑散な取引が続きました。ユーロドルは東京が終わった後の参加者が少ない中で下押しする場面が見られましたが、ポジション調整からNY市場では戻す動きとなり方向感の無いままに引けました。

12月27日(水)
 26日までは欧州市場は休場の国が多く27日からがクリスマス明けの取引となりましたが、目立った材料が無い中でユーロはじり高の動きとなりました。ユーロドルは先週高値を上抜け1.1911レベルまで上伸後にやや押しての引け、ユーロ円は高値134.98レベルと年初来高値を再び更新しました。

12月28日(木)
 東京後場に北朝鮮がミサイル発射の準備をしているとのヘッドラインにリスクオフで反応しユーロドルもドル売りに追随する格好で1.19台前半まで上伸しました。その後も広く欧州通貨買いが見られたことからNY後場には1.1959レベルの高値をつけ、そのまま高値圏での引けとなりました。

12月29日(金)
 年内最終日はドル安の一日、前日の北朝鮮ミサイル発射準備のニュースが尾を引いてリスクオフの円買いがユーロドルでもドル売りに引っ張られる動きとなりました。欧州市場以降は実需のユーロ買いも見られ、ユーロは対ドル、対円ともに上昇。NY市場後場にはユーロドルは1.2025レベルと9月以来の大台乗せとなり、ユーロ円も135.51レベルと年初来高値を更新し、底堅い地合いのまま一年を終わりました。

ディスクレーマー

アセンダント社が提供する本レポートは一般に公開されている情報に基づいて記述されておりますが、その内容の正確さや完全さを保証するものではありません。また、使用されている為替レートは実際の取引レートを提示しているものでもありません。記述されている意見ならびに予想は分析時点のデータを使ったものであり、予告なしに変更する場合もあります。本レポートはあくまでも参考情報であり、アセンダント社および二次的に配信を行う会社は、為替やいかなる金融商品の売買を勧めるものではありません。取引を行う際はリスクを熟知した上、完全なる自己責任において行ってください。アセンダント社および二次的に配信を行う会社は、本レポートの利用あるいは取引により生ずるいかなる損害の責任を負うものではありません。なお、許可無く当レポートの全部もしくは一部の転送、複製、転用、検索可能システムへの保存はご遠慮ください。

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る