トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「30.75レベルをサポートに、上記レジスタンス31.40レベルをレジスタンス」とする週としました。実際のレンジは、安値が30.88レベル、高値が31.80レベルと、狭いもみあいを上抜け強い地合いでの週末クローズとなりました。
先週のトルコリラ円は、木曜まではドル円と似たような足取りとなり、上下しつつも比較的底堅い展開となっていましたが、金曜のNY市場でドル円がレンジの中での下げにとどまったのに対して、ドルトルコリラは週初からトルコリラ買いが目立つ中、ユーロドルの上げ同様にトルコリラ高が目立つNY市場後場となったことが大きいと言えます。
まず木曜までの底堅いトルコリラの動きですが、周辺諸国関連ニュースや細かな経済指標の発表はあったものの、これらはトルコリラの動きにあまり影響は与えませんでした。他にもこれといったニュースが無い中でのトルコリラ高でしたが、先週はトルコ国債の入札が行われたこともあって、高金利国代表として需要が高かったというあたりが要因と考えられそうです。
日本の証券会社でもトルコ国債やその関連商品は人気が高く、具体的な商品名はあげませんが、現在売られているものをいくつか例を示しましょう。
新発トルコ国債(5年) 2022年9月満期 年2回8.5%(年利)
既発トルコ国債(10年) 残存期間2年半 年2回10.5%(年利)
こんな商品もありました。
トルコリラ建社債(10年) 2027年9月満期 ゼロクーポン37.85%発行
これは、ゼロクーポンですから利払いはありませんが、額面の37.85%発行と年利に換算すると10.20%です。外貨建ての社債ですから、トルコの格付け(ジャンク)を考えると社債のクレジットのほうが安心できるかもしれません。
いずれにしても10年債が約0%となっている日本国債と比べると、利回り格差が顕著であり日本の投資家を中心にそれなりのニーズがあることになります。
問題は10年後のトルコリラがどうかです。ざっくりと10%複利で10年ですと2.6倍になります。先ほどのゼロクーポンの発行価格からもイメージできますね。つまり、トルコリラ円が半値になったとしても問題無いというあたりが人気の元だと思うのですが、トルコリラの過去の変動を見るとそれほど安心できる話でも無いのです。2016年からの10年間の月足チャートをご覧ください。
トルコリラ円月足
2007年の高値は100円近い水準にあることがわかります。つまり、トルコリラはこの10年間で対円では3分の1以下になっています。次の10年がどうかはわかりませんが、これぞハイリスクハイリターンの典型と言えるでしょう。証券会社もジャンク債とは言わず、ハイイールド債などと聞こえの良い商品で売っていますが、名前を変えてもリスクには変化はありません。
さて、長々と話が横道にそれたのですが。今週のトルコは30日が祝日、1日からが犠牲祭(クルバンバイラム)で実質的に、今日明日しか市場が無いに等しく材料もありません。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)から見て、テクニカルな予想のみあげておきたいと思います。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
チャートを見ると先々週までのもみあい上限(ラインマーカー)を上抜け、現在はピンクの平行線で示した上昇チャンネルの中での推移となってきたようです。先週までのレジスタンスがサポートというには距離が近いのでもう少し余裕を見て、サポートは31.20レベル、またレジスタンスは平行チャンネルの上限となる大台32.00レベルをレジスタンスとする流れを見ておきましょう。
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まず先週の振り返りですが、トルコリラ円はドル円主導の円高相場継続を考え「30.45レベルをサポートに、31.20レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。
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