<<東京市場の動き>>
14日の東京市場は、ほぼ横這い。動意らしい動意なく、終日を通した値幅は20ポイントに届かないベタ凪相場だった。
110.00-05円で寄り付いたものの、積極的な動きは観測されず110円挟み、極めて狭いレンジ内での一進一退に終始している。新規材料に乏しいうえ、本日のNY時間に米FOMCという重要要因を控えていることで、売買は終日手控えられた。16時時点では110.05-10円で推移し、欧米時間を迎えている。
ただ、ドル/円は確かに動意が乏しかったが、そうしたなか一部のクロス円はなかなかの変動幅を記録した。NZドル/円は終日を通してNZドルがじり高で小じっかり、またポンド/円は終盤になり突如急伸、大きく値を上げている。
材料的には、5月鉱工業生産など中国の経済指標が幾つか発表されたものの、内容的には強弱混在で材料視されにくい。また、国際通貨基金(IMF)が「中国の17年GDP伸び率予想を6.6%から6.7%に引き上げる」と発表、豪ドルやNZドル相場の動意材料とはなったが、ドル/円の影響は限定的だった。
<<欧米市場の見通し >>
本日のNY時間には、いよいよFOMCの結果が発表される。本日の東京時間のベタ凪はいささか行き過ぎにしても、ここ数日、積極的な動意が見送られてきたことは確かだ。方向性も乏しい。ただ、別の言い方をすれば、足もとの小動きで次の動意に向けてエネルギーを蓄積したとも言えるだけに、このあと大きく動意付くと、一気にレンジ放れに向かう危険性も一部で取り沙汰されていた。
テクニカルに見た場合、ドルの上値は短期的に見た場合、110円半ばに位置する移動平均の200日線が目標であり、超えると112円前後でほぼ横ばいに推移する一目均衡表の先行帯の雲がターゲットとなろう。ちなみに、一目の雲は現在その厚さを無くしており、そうした意味では上抜けるには絶好のタイミングにあるのかも知れない。
対するドルの下値は109.60-70円、109.40円などに弱いサポートが位置し、それらを割り込むようだと直近安値109.12円が意識されることになりそうだ。
一方、材料的に見た場合、5月の消費者物価や同小売売上高といった幾つかの米経済指標が発表されるものの、もっとも注視されているのはやはりFOMCと、それら絡めたイエレンFRB議長の記者会見となる。
なお、FOMCに関しては、利上げ実施をほぼ織り込み。それだけならば基本ノーインパクトか。問題は、9月利上げが示唆されるか否かで、ザックリ言って「示唆あり」ならドル高、「示唆なし」ならドル安へと反応する公算が大きいようだ。ただ、たとえば前者の場合、あまり強すぎる内容だと「緩やかな利上げ」に反する結果から米株が嫌気して値を下げ、為替市場でもドル売りが進む−−などといった展開を警戒する声もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.50-111.00円。ドル高・円安方向は、110円半ばに位置する移動平均の200日線をめぐる攻防がまずは注視され、超えた場合には先週末高値の110.81円がターゲットに。それをも突破すれば、いよいよ112円を目指す展開に。
対するドル安・円高方向は、昨日安値109.64円が最初の下値メドとして意識されそう。割り込めば、安値109.12円が視界内に入ってくる。(了)
オーダー/ポジション状況
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