ドル円見通しFOMC次第では108円台突入か(6/14)

13日夜には米生産者物価指数が発表された。米労働省が発表した5月の米生産者物価指数前年比は全体が+2.4%となり、市場予想の+2.3%を上回った。

ドル円見通しFOMC次第では108円台突入か(6/14)

<概況>

先週末の6月9日夜高値110.80円まで戻してから反落、週明け12日は110円割れへ続落し、13日未明には109.63円の安値を付けた。13日の午後には110.26円まで戻したが、その後は伸び悩みとなり、110円割れを切り返しつつ、110円台序盤での小康状態となっている。
13日夜には米生産者物価指数が発表された。米労働省が発表した5月の米生産者物価指数前年比は全体が+2.4%となり、市場予想の+2.3%を上回った。前月の+2.5%からは伸びが鈍化したものの2%を上回った状況が維持されている。またコア指数の前年比は+2.1%となり、市場予想および前月の+1.9%を上回って2%台に乗せてきた。これらは米FOMCの利上げ判断に寄与するものと受け止められたが、14日夜には米小売統計、消費者物価指数の発表、15日未明のFOMCを控えているため、反応は限定的だった。

【FOMC 6月2日と同様の反応になるのかどうか?】

市場は15日未明のFOMC声明、議長会見待ちとなっている。
5月中の米FOMCメンバーによる発言、株高の現状、ドルの水準、経済指標等を踏まえれば、今回の会合で追加利上げが決定されると市場が確実視していることも妥当なことと思われる。その上で、9月会合での利上げ確率が上昇するのかどうか、膨張したFRBのバランスシート圧縮計画が市場心理にどう影響するのかを見定める必要がある。

6月2日の米雇用統計発表時、失業率は改善したが、非農業部門就業者増加数が市場予想を大幅に下回ったため、市場は6月利上げを確実としつつも9月会合での追加利上げ確率は低いと判断してドル全面安となった。ドル円は直前の高値で111.71円をつけていたが3日未明には110.33円まで急落した。
今回のFOMCで利上げが決定された場合、9月の利上げ確率が上昇したと市場が判断すればドル高円安に、逆に9月の利上げ確率が低いままか、より低下する場合にはドル全面安となる可能性がある。
ただし、6月2日に9月利上げの確率が低いとしてドル円は急落したわけだが、その流れは6月7日から揺り返しで押し戻されてきており、6月2日の市場反応=急激な円高となるのかどうかは、年後半の利上げスタンス、バランスシート圧縮計画、議長のスタンスを踏まえて、改めて反応してゆくこととなるため、単純に6月2日の再現となるとも限らない。

FOMCからドル高円安の場合、6月9日高値を超える上昇ならドル高円安に弾みがつく流れとして6月2日高値111.71円、さらに112円を目指す可能性が出てくると思われる。ただし、9日高値を超えない程度の上昇で、上昇が継続しない場合、発表前水準を割り込んでくるところからは材料消化による円高再開となる可能性が優先されると見ている。
FOMCから一挙に円高ドル安となる場合、6月2日の円高再現と仮定し、6月7日安値割れ、108円台への下落へ向かう可能性、さらに先行きも一段と円高が進んでゆく可能性が高まると見る。ただし、いったん円高に反応しても長続きせずに発表前水準を回復する場合は材料消化として円安ドル高の流れへ向かう可能性が考えられる。
雇用統計やFOMC等の重要イベントでは、発表当初の初期的な反応と、持続的な反応が異なるケースもあるので、発表前水準を上回る状況を維持するか、下回る状況を維持するかどうかが大事になってくる。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、13日夕刻への上昇で先行スパンに潜り込んだが、先行スパン突破には至らず、先行スパン内でのもみ合い推移となっている。遅行スパンは13日午後への上昇で好転(実線を上抜く)したが、その後は横ばいのために悪化しやすい状況にある。
相対力指数は60ポイントを超えた後に50ポイントを挟んだ横ばいに収まっている。
概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、6月9日深夜高値を直近のサイクルトップ、13日未明安値をサイクルボトムとして上昇している印象だ。このため、13日未明安値割れに至らないうちは次の高値形成期となる14日夜から16日夜にかけて上昇を継続する余地がある。ただし、13日未明安値割れからは底割れによる弱気サイクル入りとなるため、次の底形成期となる15日深夜から20日未明への下落継続となる可能性が考えられる。

以上を踏まえて13日の日中から明朝へのポイントを示す。
(1)13日深夜安値109.91円割れ回避のうちは戻り高値を試しやすいと見て、13日午後高値110.26円超えの場合は先行スパンを上抜けてくるので、110.50円から9日高値110.80円にかけてのゾーンを試すとみるが、FOMC前ではいったん戻り売りに掴まりやすいとみる。
(節目抵抗レベル:・5/11-6/2抵抗線110.40円近辺・転換線110.41円・6/12高値110.44円
・200日移動平均線110.50円・20日基準線110.75円・6/9高値110.80円)
(2)109.90円割れの状況が続く場合は先行スパンからの転落となるので、12日安値圏109.63円試しとし、底割れ回避なら110円台回復への反発を想定するが、底割れの場合は14日夜への一段安で7日夜安値109.11円試しまで下値目途を引き下げる。
(3)あとはFOMC反応次第で6月2日高値超えへ向かうか、7日安値割れから108円台へ突入するのか、明暗が分かれると考える。(了)<9:40執筆>


【本日の主な予定】

6月14日
(中)  11:00 中国5月小売売上高 前年比 (4月 +10.7%、予想 +10.7%)
(中)  11:00 中国5月鉱工業生産 前年比 (4月 +6.5%、予想 +6.4%)
(中) 11:00 中国5月固定資産投資
(日) 13:30 4月鉱工業生産・確報値
(米)  21:30 米5月消費者物価指数 前月比 (4月 +0.2%、予想 +0.0%)
(米) 21:30 米5月消費者物価指数・コア 前月比 (4月 +0.1%、予想 +0.2%) 
(米)  21:30 米5月消費者物価指数 前年比 (4月 +2.2%、予想 +2.0%)
(米) 21:30 米5月消費者物価指数・コア 前年比 (4月 +1.9%、予想 +1.9%) 
(米) 21:30 米5月小売売上高 前月比 (4月 +0.4%、予想 +0.1%)
(米) 21:30 米5月小売売上高 除自動車 (4月 +0.3%、予想 +0.2%)
(米) 23:00 米4月企業在庫

6月15日
(米) 3:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表
(米) 3:30 イエレン米連銀議長会見

オーダー/ポジション状況

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