ドル円乱高下CPI悪化とFRB方針維持で
米FOMCは予想通り政策金利を0.25%の利上げを実施、同時に公表された参加者による経済見通しでは年内あと一回の利上げ実施の見通しを維持しました。また、FRBのバランスシート年内縮小開始の方針も示され、イエレン議長はその後の記者会見で比較的早期の縮小実施もありうるとコメントしました。
これに先立って発表された5月の米消費者物価指数が予想外の前月比-0.1%に悪化したことから、FOMC結果公表前にドル円は110円台前半から一時108.83まで下落する荒れ模様となりましたが、FRBが金利引き上げのスタンスを維持し、資産縮小にも言及したことからFOMC後はドルに買い戻しが入り、4:50現在は109.70レベルまで下げ幅を縮小しています。ユーロもFOMC前にはドル売りが強まり、一時1.1296と米大統領選時の1.1300に迫りましたがFOMC後は一旦1.1193まで反落し、1.1215レベルでの取引です。
(以下追記7:00)
NYダウは46.09ドル高の21,374.56ドルで終了。FOMCの結果を受けて一時軟化する場面もありましたが、最終的には上昇して本日も史上最高値を更新。FOMC後CME FEDWATCHによる年内利上げ確率は6%程低下しており、年内利上げについてはむしろ懐疑的な見方が広がっていることなどが株価上昇の背景と考えられます。
昨晩は予想外に不冴えの経済指標と、予想よりややタカ派のFRBスタンスという相反する材料にやや市場が混乱したものの、注意を要する米経済指標といまだ不透明な年内再利上げという基本的な構図に結局変化はなかったと解釈されます。
結局のところ昨晩はCPIの予想外の不冴えの分だけ市場は動き、ドル円は109円台半ばの取引、10年物の米国債利回りは2.20%から2.12%まで低下しています。
CPIの悪化は想定外でしたがFOMCを無難に終了し、市場は次の方向感探しとなります。
昨晩の動きからはFOMCの公式コメントはコメントとして受け止めたうえで、実際には経済指標をより重視する市場の姿勢が明らかとなり、今後は年末にかけて米経済指標への市場感応度が高まりそうです。
今日明日は日銀の政策決定会合が開催されますが、政策に変更は予想されていません。
本日海外時間はユーロ圏財務相会合でギリシャ支援問題が議論され決着することが見込まれています。また。英中銀、トルコ中銀が政策金利を発表します。
そして、週末にはフランス国民議会の決選投票が実施されるなど、今週はまだまだ重要なスケジュールが続きます。
オーダー/ポジション状況
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