ドル円 直前の急落を解消できず下値不安続く(6/15)

FOMCは当初の市場予想通り、利上げを決定、また2017年の利上げ回数予想も3回のまま(残り1回の利上げ)であった。

ドル円 直前の急落を解消できず下値不安続く(6/15)

<概況>

先週末の6月9日に110.80円まで戻してから13日未明安値109.63円まで下落、その後は110円台序盤での小康状態的な持合いで推移しつつ、15日未明のFOMC待ちとなっていた。
21時半、5月の米消費者物価指数の発表があったが、全体の前年比が+1.9%となり、市場予想の+2.0%、前月の+2.2%から減速してFOMCが目標としている2.0%を割り込んだ。コア指数も前年比+1.7%となり、市場予想および前月の+1.9%から低下した。前日の5月米生産者物価指数では全体が前年比+2.4%(予想+2.3%、前月+2.5%)、コア指数前年比が+2.1%(予想+1.9%、前月+1.9%)と良好な数字だったため、この日の消費者物価指数も良好との見方がされていたため、発表された数字は予想外であった。

また同時に発表された5月米小売売上高も全体の前月比がマイナス0.3%と悪化、市場予想の前月比変わらず、4月のプラス0.4%から減速したことも加わり、市場にとってはサプライズとなった。これらが15日未明のFOMC政策判断へ影響を与えるのではないかとの思惑もあり、やや過剰反応的にドルが全面安となり、ドル円は109.50円割れ、さらに買い方の投げ売りも加わって109円を割り込んで108.80円まで下落した。

【FOMCは予想通り】

FOMCは当初の市場予想通り、利上げを決定、また2017年の利上げ回数予想も3回のまま(残り1回の利上げ)であった。9月か12月の追加利上げ時期について示唆する内容はなかった。2018年の利上げ回数、金利予想も変わらずであった。
FOMC後、直前の下落を過剰反応だったとしてドル円は戻したが、戻り高値は今のところ109.86円で110円台回復には至らず、15日早朝には109.50円割れの状況となっている。
15日未明への急落により、6月7日安値109.11円を割り込んだ。このため、5月11日高値からの下落波動は、5月18日への下げ(一段下げ)、その後の小持合い下放れから6月7日への下落(二段下げ)、その後5日間の下げ渋り持合いからさらに下抜ける状況に入った(三段下げ)。
14日夜から15日未明への急落がやや過剰反応だったとしても底割れした現実は重い。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、14日夜急落前には先行スパンをわずかに上抜きかけたが、21時半からの急落により先行スパンから大きく転落した。FOMC後の反発でも先行スパンに届かずにいる。遅行スパンも14日夜の急落で悪化したままとなっている。

60分足の14本相対力指数は14日深夜の急落で19ポイント台まで下げ、売られ過ぎ警戒圏に入ったが、前後での強気逆行等は見られず、強弱分岐点の50ポイント台を回復できずにいるため、まだ一段安の可能性が残っていることを示唆する姿だ。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、6月9日夜高値から3日目となる14日夜高値でサイクルトップをつけて下落期に入った印象だ。前回のサイクルボトムは13日未明安値の為、次の安値形成期となる15日深夜から20日未明にかけての間へと下落継続しやすい時間帯と言える。重要度の高いイベントを挟んでの乱高下の為、サイクルボトム形成が短縮される可能性があるが、強気転換には14日夜高値110.34円を上抜く必要があり、高値更新に至らないうちは一段安が警戒される。

以上を踏まえると、(1)先行スパンのある110.00円を超えて続伸するような反騰に入れないうちは一段安余地ありとし、(2)109.50円以下での推移中は15日未明安値108.80円試しの可能性を優先、安値更新なら4月17日安値108.13円試しへ向かう可能性ありと考える。(3)強気転換には14日夜高値を上抜く必要があり、110円台回復、維持へと戻す場合は14日夜高値110.34円試しを想定するが、110円から110.34円にかけては抵抗ラインが厚く、戻り売りに掴まりやすいと警戒する。(了)<9:15執筆>

【本日の主な予定】

6月15日
(日) 日銀金融政策決定会合(16日まで)
(英) 20:00 BOE金融政策委員会、政策金利発表
(米) 21:30 米6月NY連銀製造業景況指数 (5月 -1.0、 予想 4.0)
(米) 21:30 米新規失業保険申請件数 (前週 24.5万件、予想 24.2万件)
(米) 21:30 米6月フィラデルフィア連銀製造業指数 (5月 38.8、予想 24.5)
(米) 22:15 米5月鉱工業生産 (4月 +1.0%、予想 +0.2%)
(米) 22:15 米5月設備稼働率 (4月 76.7%、予想 76.8%)
(米) 23:00 米6月NAHB住宅市場指数 (5月 70、予想 70)

6月16日
 南ア市場休場(青年の日)
(日) 日銀金融政策決定会合結果公表

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る