ランド円レポート月曜版(2017年6月12日)

先週のランドは6日に発表された1〜3月期GDPが、予想の+0.9%に対して結果が−0.7%と前回の−0.3%に続いて2期連続のマイナスとなり、

ランド円レポート月曜版(2017年6月12日)

ランド円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「8.35レベルをサポートに、8.77レベルをレジスタンス」としました。実際のレンジは、安値が8.46レベル、高値が8.71レベルと、予想よりも若干狭いレンジでの推移となりました。

先週のランドは6日に発表された1〜3月期GDPが、予想の+0.9%に対して結果が−0.7%と前回の−0.3%に続いて2期連続のマイナスとなり、いわゆる不況期の定義に合致することとなってしましました。発表直後こそ週間安値となる8.46まで押したものの、思ったほどのインパクトは無く、その後のランド円は安値8.46を更に2回試す動きとなったものの、崩れるには至りませんでした。

さらに、南アフリカにとって厄介なのが、南アフリカの全般的な経済情勢で、小康状態を保っているとは言うものの決して予断を許さない状況は継続しています。こうした状況を受け、ムーディーズは9日に南アフリカの格付けをBaa2(BBB相当)からBaa3(BBB−相当)へと引き下げました。S&Pは一時期ジャンク債へと格付けを引き下げましたが、現在はBBB−へと戻したこともあり、世界の大手格付け2社の格付けはどちらもBBB−ということになります。ジャンク債まであと1ノッチとギリギリのところにありますので、経済状況の悪化や当面は安定しているズマ政権の今後に対する不透明な部分等、南アフリカの置かれている環境は楽観できるものではありません。

今週のイベントとしては、目立った経済指標は小売売上高を除くと目立った材料はありません。どちらかというと利上げ織り込み済みでドル円ではあまり材料視されていない米国FOMCがランドに与える影響のほうが大きいかもしれません。ここでもこれまでに何度も書いてきましたが、リスクオフは新興国通貨に取って売り材料になると同時に、米国の利上げも新興国通貨にとっては売り材料となりますので、利上げが確実視されている現状ではランドは直近のランド高値・ドル安値(6日12.6776)がいったん短期的にランド高値になった可能性を考えておかなくてはなりません。

現在はドル円が109円台前半と111円台前半の水準の中で、ややドル売り・円買い方向に動きやすい地合いであること(週報参照)を合わせて考えると、ランド売り・円買いという流れは今週の材料としては理屈に合うと言えるでしょう。

テクニカルにはどうでしょうか。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。

       ランド円、ドルランド、ドル円 四時間足

       ランド円、ドルランド、ドル円 四時間足

中段のドルランドも下段のドル円もドル安トレンドにあるため、レジスタンスラインを引きくとは出来ますが、中段のドルランドはこのラインにかなり近く、レジスタンスラインに接しながら状況次第ではドル買い・ランド売りの動きによって上抜けする可能性が高いチャートです。

また上段のランンド円を見ると、ここ数週間黄色のラインマーカーで示した8.70水準で高値圏を形成し、現在の水準は高値形成前にもみあっていた水色のラインマーカーの水準へと若干切り下げているチャートです。ちょっと横長で間延び感はありますが、このもみあいを下抜けると(可能性が高い)次のステージへと一段安となる可能性が考えられます。

ここで、5月18日安値(8.10)と5月29日高値(8.74)とのフィボナッチリトレースメントを計算すると半値押しは8.42、61.8%押しが8.34となり、後者は5月31日の安値ともほぼ一致します。現在は、この5月31日安値8.35を視野に入れながら、戻り売りを探る段階にあると考えることが出来ます。

今週は先週後半の高値圏8.60レベルをレジスタンスに、上記ターゲット8.35をサポートとする一週間を考えておきます。

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