トルコリラ円ショートコメント(2017年6月12日)

先週は経済指標では目立った材料はありませんでしたが、カタールが周辺の主要国との国交を断絶したとのニュースから、

トルコリラ円ショートコメント(2017年6月12日)

トルコリラ円ショートコメント

まず先週の振り返りですが、トルコリラ円は「大台31.00レベルをサポートに、31.80レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは安値が30.74レベル、高値が31.58レベルと、思った以上に弱い値動きとなりました。

先週は経済指標では目立った材料はありませんでしたが、カタールが周辺の主要国との国交を断絶したとのニュースから、断絶した国にトルコは含まれていないものの中東での地政学的リスクが上昇したとの判断によるリスクオフから、トルコリラ売り・円買いの動きとなったことが最大の売りプレッシャーになりました。

今週は米国の利上げが重なり新興国通貨(高金利通貨)であるトルコリラには一段のプレッシャーがかかりやすいのですが、他にも経済指標として、本日GDP、15日失業率、同じく15日トルコ中銀政策金利発表と重要なイベントが続きます。先週のCPIは比較的落ち着いていましたし、大方の予想も現状維持です。しかし、米国利上げが行われた場合には金利差維持から小幅な後期流動性金利の利上げを行う可能性も否定できず、要注意ではないかと考えています。

ただ、利上げしたからリラ買いと短絡的には考えられない面もあり、GDPや失業率といった数字なども併せて、当面のトルコ経済について考えるべきではあるでしょう。

4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)も覧ください。

     トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足

     トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足

先週も触れましたが、現在のトルコリラ円は5月15日週の高値(32.07)と安値(30.26)の半値31.17をもみあいの中心として、フィボナッチ戻しの23.6%=30.69をサポートに、78.6%(61.8%の平方根)=31.69をレジスタンスとする流れにすっかりとはまっています。

今週は、材料は多いもののそれでもこれら両端を大きく抜けるほどの材料とはなり得ず、引き続き、30.70レベルをサポートに、31.70レベルをレジスタンスとする週を見ておくことが妥当と考えます。

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