トルコリラ円レポート月曜版(2017年6月5日)

先週のトルコリラは、これといった材料も無く経済指標も貿易収支程度でしたが、結果は予想の範囲内で材料とはなりませんでした。

トルコリラ円レポート月曜版(2017年6月5日)

トルコリラ円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「30.80レベルをサポートに、31.50レベルをレジスタンス」としました。実際のレンジは、安値が30.85レベル、高値が31.63レベルと、予想よりも若干だけトルコリラ高での推移となりました。

先週のトルコリラは、これといった材料も無く経済指標も貿易収支程度でしたが、結果は予想の範囲内で材料とはなりませんでした。先週も書いたことですが、材料が無い中で5月15日週のトルコリラ円は大きく動いたのですが、この週に明らかにレンジの上下を作ってしまいました。この時の材料は米国発のロシアゲート事件に対する懸念で、リスクオフから高金利通貨が売られ、低金利通貨が買われるという教科書通りの展開です。

その後はロシアゲート事件も小康状態ではありますが、週報にも書いた通り、今週は8日にECB理事会、英国総選挙、コミー前FBI長官公聴会とビッグイベントが並んでいて、どれもドルに対して影響力がある材料です。詳細は週報をご覧いただくとして、コミー前長官の公聴会でトランプ大統領に不利な材料が出て来ると、改めてリスクオフの動きとなる懸念があります。

すでにドルの動きとしては金曜の雇用統計で円高に動いている中、先週はそれを除くと株高などリスクオンに動きやすい環境であったため、月初以降はトルコリラも対ドルで比較的底堅い推移を示していました。そして、5月のドルトルコリラ安値(3.5181)を抜けたことで、テクニカルにはドル売り・トルコリラ買いに動きやすい流れとなっています。

今週は材料的には本日のCPIがありますが、CPIの結果次第では引き続きトルコ中銀の引き締めを予想する向きがいると同時に、既にかなりハイペースで後期流動性金利を上げてきたことを考えると、そろそろいったん様子を見る水準と予想する向きもいますので、高止まりしているCPIが今月はどうなのか、まずはそれを見てからのスタートとなります。ただ、高いCPIから利上げ思惑というのも短絡的ですし、今週は8日のビッグイベントもあり、材料としてはやや扱いにくいタイミングと言えます。

今週もテクニカルな観点から見て行きましょう。まずは、5月安値を抜けたドルトルコリラのチャートをご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版

年初のドル高値以降、トルコリラはドルに対して上下しながらもトルコリラ買いの動きを続けてきました。現状は大きくも小さくもピンクのラインで示した下降ウェッジの中での推移となっていて下限には近いものの5月安値を抜けたことで3.4694(12月安値と1月高値の78.6%押し)をターゲットとしやすい水準です。

ドル円が110円の大台を前に5月安値(110.24)を割り込んで来ると、結局は同じような値動きになりやすいのですが、110円手前、そしてドル円のテクニカルなターゲット109円台半ばで買いが出て来ると、スピード差でややトルコリラが強い展開を見ることが考えられます。ただ、ドル円の105円台半ばと、ドルトルコリラの3.47水準は下げの割合としては同程度(現行水準から1%程度のドル安)ですから、そうなると今週もレンジ相場を予想することとなります。

4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円四時間足

トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円四時間足

悩ましいチャートです。レジスタンスは5月15日週の高値と安値の78.6%(61.8%の平方根)戻しにあたる31.69がターゲットとして考えられますし、ここ2週間の動きを見るとサポートは31円の大台割れではまだ買いたい向きが残っている印象です。

今週は大台31.00レベルをサポートに、レジスタンスはターゲットの若干上となる31.80レベルをレジスタンスと、再び狭いレンジでの取引が続きやすい週を見ておきます。なお、8日の状況次第では上下ともに振れる可能性があることは忘れずに。

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