南アフリカ 「リセッション入り」でランド急落
18:30に発表された南アフリカの第1四半期GDPは前期比で年率-0.7%と事前予想の+1.0%を大きく下回りました。
発表を受けて南アフリカランドは急落、対ドルで12.79レベルから12.88レベルまで下落、対円でも8.60から8.51まで急落しています。
南アフリカでは今年は降水に恵まれ昨年の飢饉から脱しているため、農業部門は好調ですが、ズマ大統領が3月に信任の厚いゴーダン財務相を解任した事から17年ぶりの投資不適格への格下げを受けており、海外資本の逃避から経済に混乱が広がっています。
今回の数値は第1四半期のものですが、農業と鉱業以外の全産業がマイナスとなっており、とりわけ貿易、電気、機械などの産業分野でのマイナスが目立ちました。
これは前回16年第4四半期の-0.3%に続くマイナスで、南アフリカは定義上2009年以来の「景気後退」に突入した事になると南アフリカ統計局は発表された資料で述べています。
出所:南アフリカ統計局
今回のリセッション入りは全くの予想外であったことから市場の衝撃は大きく、しばらくの間ランドには売り圧力が続きそうです。
一方で今回の経済の混乱はズマ大統領の失策による政治的な側面が強く、一時的なものにとどまるのかあるいはこのまま本当に景気後退局面に入っていくのかズマ大統領去就も含め今後の成り行きが注目されます。
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