<<東京市場の動き>>
6日の東京市場は、ドル安・円高。それも、「早朝高・大引け安」と言っても良い値動きで、終日を通した値幅も1円近い。久しぶりの大商いとなった。
110.40-45円で寄り付いた直後、110.51円の日中高値を記録したが、その後は一貫してドル弱含み。110円前半などは一目均衡表をはじめとするテクニカルなサポートが少なくなかったものの、それらをこなしつつ110円割れ。そして、夕方にかけては109.50円台まで続落し、値を崩す局面も観測されていた。前日比48円安で寄り付いた日経平均株価が大引けでは190円安、2万円の大台を割り込んだことなども嫌気されていた感を否めない。16時時点では109.60-65円で推移し、欧米時間を迎えている。
材料的には、英国で発生したテロ事件がようやく消化されつつあるなか、BBCが「豪メルボルンで人質事件発生、警察はテロとして捜査」と報じ、留まることのない地政学リスクへの懸念も、円買いの一端を担っていた可能性がある。
一方、豪中銀が政策金利を1.50%に据え置くと発表したことに加え、「豪ドルの上昇は経済の調整を複雑にするだろう」との声明を発表したが、マーケットの流れを変えるまでには至らなかった。
<<欧米市場の見通し >>
再三指摘してきた、今年3月後半から4月上旬にかけて2週間以上揉み合うなど、何故か「居心地の良い」水準である110-112円を、本日の東京時間にしっかりと下回っている。今週は8日に週間を通した注目材料が集中しており、それらを見極めたいという思いも聞かれるため、予断は許さないものの、ドルの続落には注意を払いたい。4月24日に空け、そのまま依然として埋めきれなかった109.10-60円のギャップを、1ヵ月半という期間を経て、ようやく埋めるタイミングがきたのかもしれない。
テクニカルに見た場合、昨日の欧米安値、ドルが下げ止まった110.30円レベルはかなり重要なレベルだった。これは、移動平均の200日線そして一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置するレベルであったからで、昨日はそうした重要サポートでドルはピタリと下げ止まったことになる。
しかし、前述したように本日の東京時間に110.30円レベルはおろか110円もしっかり割り込むなど、ドルの下値余地は拡大した感を否めない。109.10-60円のギャップが次なるドルのサポートとして意識されているようだ。
一方、材料的に見た場合、それほど大きな要因が見当たらない。米経済指標としては、4月の雇用動態調査が発表されるものの、ハッキリ言って注目度は低く、マーケットの波乱要因などとなることは予想しにくい。
それよりむしろ、8日に予定されている「英総選挙」と「コミー前FBI長官の議会証言」をにらんだ様々な動きや発言、欧米の株価や金利、原油価格など、ほかの金融市場の動きに注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.00-110.30円。ドル高・円安方向は、本日の東京時間に割り込んできた、一目均衡表の先行帯の雲の下限などが位置する110.30円レベルが最初の抵抗か。
対するドル安・円高方向は、109.10-60円レベルに空けたギャップをめぐる攻防に注意。割り込むようだと移動平均の52週線が位置する108.70円レベル、年初来ドル安値108.13円などが視界内に捉えられそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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