トルコリラ円ショートコメント
まず先週の振り返りですが、「上値が重たい展開を予想し、29.90レベルをサポートに、31.10レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていましたが、実際のレンジは安値が30.20レベル、高値が30.83レベルと、予想レンジ内とはいうものの思いのほか静かな一週間となりました。
先週は新興国通貨でもランドに注目が集まる一方でトルコリラに関する話題に乏しかったということがありますが、新興国通貨全体で見た場合でも、トルコリラは既にエルドアン大統領の強権政治が、またランドはズマ大統領が、さらにはメキシコペソは隣国米国のトランプ大統領がそれぞれ通貨安の要因を作り、大統領相場とでも呼びたい相場環境となっています。
冗談はさておき、今週もランドに懸念が残る中、本邦の個人投資家の動向が最も気になるところですが、現状は30円の大台よりも上での推移で落ち着いた動きを示していることから、トルコリラ円はドル円の動きが気になります。
これは週報に書いたことなので繰り返しませんが、トランプ大統領が貿易赤字の原因を調査する大統領令に署名し、実際に中国、日本、ドイツと貿易赤字の上位3カ国に対する調査が行われることとなりました。先週こそ110円の大台はしっかりとサポートされたものの、今週以降はいつ大台を割り込んでもおかしくはありません。
そうした観点でチャートをご覧ください。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)です。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円(四時間足)
トルコリラ円はピンクのラインで示したレジスタンスが引けますが、下段のドル円を見ても先週の112円台は上値が重く、赤いラインで示したレジスタンスラインが引けそうです。また中段のドルトルコリラでは3.67レベルが現在はドルのレジスタンス(トルコリラのサポート)となっていますが、ここを上抜けるとドル買い・トルコリラ売りの動きが出やすくなってきます。
いまのところは、トルコの材料での動きは落ち着いていますが、新興国通貨全体に上値が重くなってくると同レジスタンスも思いのほかあっさりと抜ける可能性は考えておく必要はあるでしょう。
今週は基本的にもみあいを考えますが、ランドとドル円の動向を考えると振れる時はトルコリラ安の可能性があるということは注意しつつ、30.30レベルをサポートに、30.90レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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