ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は「8.60レベルをサポートに、8.80レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が8.64レベル、高値が8.93レベルと、予想レンジよりも高めのレンジとなりました。
先週は主要国の金融政策イベントが続きましたが、ランド円に関係したところでは米国のFOMCです。一般的には米国の利上げは新興国通貨にとっては悪材料とされますが、今回の米国利上げは完全に織り込み済みであったことに加え、一部で年内の利上げベースが速まるとの思惑もあり、12月の金利見通しと変わらなかったことがドル売りに繋がり、大きく上昇した金価格(ドル建て)の動きも重なってドルランドでのドル売り・ランド買いがドル円でのドル売り・円買いよりも目立つ結果となりました。
また、テクニカルにもドルランドは重要な水準となっていた13.20レベルを上抜けドル買い・ランド売りが出やすい地合いというのが先週初のチャートでしたが、結局はFOMCを前に週初から再び13.20を割り込み、改めて13.20の強力なドルのレジスタンス(ランドのサポート)を確認することとなりました。大きな材料は無かったものの、このテクニカルな要因とFOMC後のドル売りの動きがランド高の材料となりました。
今週は、先週の一連の金融政策イベントも週末のG20も終わり、ドルと円の材料は出尽くし感があり、南アの材料も22日のCPI(予想+6.4%、前回+6.6%。対前年比)と10〜12月期経常収支(−1500億ランド、前期−1760億ランド)はあるものの、余程コンセンサスから外れた数字でも無ければ大きな動きにはつながらないと考えられます。また南アの金融政策イベントは来週ですし、月曜の東京市場休場に続き、火曜が南アが休場となることもあって、今週のランドは実質的に水曜以降、狭間の週となりそうです。
それでは、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円 四時間足
中段のドルランドは13.20の水平線からかなりドル安・ランド高の動きになっていることがわかりますが、FOMC後のドル安の動きで2月23日の安値を割り込み新値を付けに来ていることがわかります。
また最近のランド円はあまり金価格との相関は高くなかったのですが、先々週あたりから相関が強くなり始めています。上段のランド円に重ねてオレンジのラインで金価格(ドル建て)の動きを表示してみましたが、似たような動きをしていることがわかります。ドル円は引き続き111円半ばと115円半ばのレンジの中でレンジの下半分での動きとなっていて、ここからは動きにくそうですが、ドルランドにおけるドル安の動きと、金価格の上昇から、ランド円は引き続き底堅い値動きをしやすいと考えてよいでしょう。
テクニカルに上昇した際のターゲットを求めてみます。2月28日安値8.52から3月7日高値8.82までの上げ、その後の9日の押し8.58をN波動と考えフィボナッチエクスパンションを計算すると、100%が現行水準の8.88、127.2%(161.8%の平方根)が8.96(青の太線)とほぼ9円の大台と重なることがわかります。いっぽうサポートは、9日安値の8.58と先週高値8.93との半値押し8.75(赤の太線)が妥当であると考えます。
今週は引き続き堅調な展開を予想し、8.75レベルをサポートに、大台9.00レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.22
ドル円、下落後に反発するなど底堅い動き。上昇トレンドの継続を想定(11/22朝)
21日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.21
東京市場のドルは154円台後半で推移、今晩も要人発言で上下に動く可能性アリ(24/11/21)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外の米10年債利回りも上げ一服となったことでドルは一時154円台を付ける場面も見られた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.21
ドル円 地政学リスクくすぶるも再びレンジの様相に(11/21夕)
東京市場は一転してドルが弱含み。とくに終盤下げ足を速めている。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2017.03.27
ランド円ショートコメント(2017年3月27日)
先週のランドはこれといって目立った材料はありませんでしたが、ドル安の動きの中で金価格が強含みとなったこともあって、
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2017.03.13
ランド円ショートコメント(2017年3月13日)
先週の南アフリカではGDP程度しか材料はありませんでしたが、前期比で前回が0.2%、予想がやや悪化して0.0%となっていたところ
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。