トルコリラ円ショートコメント
まず先週の振り返りですが、「30.00の大台をサポートに、30.90レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていましたが、実際のレンジは安値が30.46レベル、高値が31.44レベルと、大幅にトルコリラ高の一週間となりました。
先週のトルコリラを取り囲む環境は、オランダの議会選挙に向けてトルコ外相のオランダ入獄拒否といった政治的なものと、米国の利上げ、そしてトルコ中銀の政策金利発表が16日にありました。
政治的な影響は見られませんでしたが、米国の利上げが織り込み済みかつ利上げ見通しが一部の市場の思惑よりもハト派(12月から変化なし)であったことに加え、トルコ中銀は主要金利3指標こそ原状維持としたものの、1月以降実質的な上限金利となっている後期流動性金利を0.75%引き上げたことで米国との金利差は逆に0.5%広がったと言えます。
市場のコンセンサス以上に上限金利が引き上げられたことがトルコリラ買いの材料となり、利上げ直後に31円の大台に乗せ、その後も前週高値、前々週高値を次々と上抜け、金曜には31.44と2月24日以来の高値を付けることとなりました。最近のトルコ中銀は新たな上限金利を設定してからかなり機動的な金融政策を実施していますが、先週の動きも市場予想を上回る引き上げとなったことでトルコリラ安を食い止めることに成功しています。
それでは、4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円四時間足
目先のトルコリラ安は回避してはいますが、31円台半ばを積極的に買うほどまでの材料には乏しく、引き続きトルコを囲む悪材料を考えると戻りは売りという市場参加者も多い様子で、2月23日の高値31.70を上抜ける勢いは感じられません。
今週は利上げ前の水準はサポートとなりそうですが、先週の高値圏が逆にレジスタンスとなりやすく、30.60レベルをサポートに、31.40レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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