トルコリラ円レポート月曜版(2017年1月16日)

特にトルコリラにとって好材料が出たというわけでも無いのですが、

トルコリラ円レポート月曜版(2017年1月16日)

トルコリラ円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「上値の重たい展開を考えざるを得ませんので、大台30.00レベルをサポートに、31.70レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が29.05レベル、高値が32.20レベルと、大台をあっさりと割り込みトルコリラ安が進みました。

12日には大台割れを受けてトルコリラ円のアップデートを書き、その中では「30円に戻るよりも先に29円割れがある可能性とともに、オーバーシュートして売りが止まらないという危険性には注意が必要」としたものの、かろうじて29円は割らずに30円の大台回復となっています。

特にトルコリラにとって好材料が出たというわけでも無いのですが、30円の大台を割り込んだことで個人投資家からのストップオーダーが執行され、とりあえず目先の売りオーダーが一巡したという要因が大きいと考えられます。こうしたトルコリラ円の売り圧力が減ったことからドルトルコリラでもドル買い(トルコリラ売り)が収まり、短期的にはドル円や他の主要通貨同様にドル売りの動きが出たということなのでしょう。

主要通貨におけるドル売りですが、これはトランプ次期大統領の先週の会見、そして20日の就任式とこれまでドル買いが積み上がってきたポジションのイベント前調整が、米国長期金利上昇の落ち着きとともに進んだと考えられますが、ことドルということに関しては対円では当面の間ドル売り圧力が高まりやすいという見方をしています。これについては週報で書きましたので、そちらをご参照下さい。

ただ、仮にドル売りが続いたとしても対トルコリラではどうなのかということを考えると、依然としてトルコの政治経済問題、対外的なリスクと対トルコリラでは積極的にドル売り(トルコリラ買い)をしたいとは考えにくく、このことはハードブレグジットが懸念されるポンドにおいて、他の通貨ではドル売りの動きとなっているものの、ポンドではドル買い(ポンド売り)になっていることを考えると容易に想像がつくのではないかと思います。

現状では、ポンドとトルコリラとで最弱通貨を争っているというのが事実です。どうでもよいことかもしれませんが、雑学的な知識としてポンドとトルコリラではどちらが弱いのでしょうか?これは長期的にはトルコリラが圧倒的に弱く、ごく短期的にはポンドが弱いというのが答えです。参考までにポンド/トルコリラの日足チャートが以下です。

           ポンド/トルコリラ 日足

           ポンド/トルコリラ 日足

話を戻しましょう。今週は本日トルコの失業率発表がありますが、予想よりも良いとしてもトルコリラの戻りは鈍いものとならざるを得ないでしょうし、今後トランプ大統領の就任とともに米国長期金利の再上昇がきっかけとなれば、短期的なドル売りの動きが収まり新興国通貨で特にドル買いが起きやすくなるこれまでの構図には変化がありません。その中で特にトルコリラが弱いという流れにも変化は無いでしょう。

最近いつも使っている4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

     トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足

     トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足

トルコ円の戻り高値(12月8日の33.97)と先週安値(29.05)からテクニカルな戻しのターゲットを考えると38.2%戻しが、30.93となります。また先週の安値はとりあえず今週は維持しそうですから、29.00レベルをサポートに、31.00レベルをレジスタンスと30円の大台を挟んでもみあいの週を見ておきます。

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