前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 117.15 117.53 113.75 114.47
ユーロ円 123.35 123.73 121.19 121.82
ユーロドル 1.0530 1.0685 1.0454 1.0645
日経平均 19414.83 19484.90 19069.02 19287.28
前週の概況
1月9日(月)
東京市場が休場の中、アジア市場でドルが一段高となり、一時117.53レベルの高値を示現したものの伸び悩み、原油安と長期金利の低下からリスクオフの円買いが目立つ格好となりました。その後もドル円はじり安の動きを続け、NYの引けでは雇用統計前の水準へと下押しして引けました。
1月10日(火)
東京連休明けは前日のリスクオフの動きを受け、円買いが先行し昼過ぎには115.20レベルの安値をつけました。材料としてはトランプ次期大統領の会見を前に、何か飛び出すとするならば円買いにつながるような話ではないかという思惑、そしてブレグジットに関してポンドが売られたことが金融市場全般のリスクオフの動きにつながりました。しかし、トその後はポジション調整を中心として、NY市場朝方には116.34レベルまで上伸後に再び1円以上円高に振れると相変わらず荒っぽい一日となりました。
1月11日(水)
トランプ次期大統領の会見を前に、NY市場までドルがじり高の展開を辿りました。基本的に新政権の経済政策に対する期待と、直近のところでドル売りに動いていた短期筋によるイベント前のポジション調整という流れで、会見直前にはドルは対円で116.87レベル、対ユーロで1.0454レベルまでドル高が進行しました。会見は蓋を開けてみるとロシア問題等の経済政策と離れた内容が多く、具体策が出なかったことから急速に失望のドル売りが広がりました。一時、ドル円は114.25レベルと2円60銭ものドル急落を演じ、その後115円台に戻して引けました。
1月12日(木)
トランプ次期大統領会見後のドル売りが継続し、欧州市場ではドル円が113.76レベル、ユーロドルは1.0685レベルと直近のドル安値を更新する流れとなりました。会見で具体策に欠けたとの判断ではありますが、それ以上にドル買いポジションが積み上がっていたため調整が入った動きとなりました。
1月13日(金)
東京市場では朝方こそドル買い戻しの動きが先行し115円台を回復したものの、海外市場では再びドル売りが強まりNY市場に入るとドル円、ユーロドルともにドル売りが強まりドル円は114.15レベルと1円強の円高水準。しかしPPIが強かったことから日中高値を更新し115円台半ばまでドル買いが入ったものの三連休を前にしたポジション調整から引けにかけては方向感が出にくくなり、114円台半ばに押してのクローズとなりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2017年FOMCメンバー(ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ミネアポリス、ダラス)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
1月16日(月)
**:** NY市場休場
09:30 黒田日銀総裁挨拶
16:00 トルコ10月失業率
**:** IMF経済見通し公表
17:00 フランス中銀総裁講演
19:00 ユーロ圏11月貿易収支
21:30 メルシュECB理事講演
27:30 英中銀総裁講演
1月17日(火)
18:30 英国12月CPI、PPI
19:00 ドイツ1月ZEW景気期待指数
19:00 ユーロ圏1月ZEW景気期待指数
22:30 米国1月NY連銀製造業景況指数
22:45 NY連銀総裁講演
**:** ダボス会議(〜20日)
1月18日(水)
08:00 (サンフランシスコ連銀総裁講演)
16:00 ドイツ12月CPI確報値
17:00 南ア12月CPI
19:00 ユーロ圏12月CPI確報値
20:00 南ア12月小売売上高
22:30 米国12月CPI
23:15 米国12月鉱工業生産、設備稼働率
24:00 米国1月NAHB住宅市場指数
24:00 カナダ中銀政策金利発表
25:00 ミネアポリス連銀総裁講演
28:00 ベージュブック
29:00 イエレンFRB議長講演
30:30 NZ12月企業景況感
1月19日(木)
09:30 豪州12月失業率
18:00 ユーロ圏11月経常収支
21:45 ECB理事会
22:30 ドラギECB総裁会見
22:30 米国新規失業保険申請件数
22:30 米国1月フィラデルフィア連銀製造業指数
22:30 米国12月住宅着工、建設許可件数
25:00 米国週間原油在庫
1月20日(金)
10:00 イエレンFRB議長講演
11:00 中国10〜12月期GDP
11:00 中国12月小売売上高、鉱工業生産
18:30 英国12月小売売上高
**:** トランプ新大統領就任式
23:00 フィラデルフィア連銀総裁講演
27:00 (サンフランシスコ連銀総裁講演)
今週の週間見通し
値動き軽い。ポジションは小さめに、ストップロス、利食いのオーダーは遠めに。
それにしても動きが軽く上下に振れる日が続きます。大きくは週初の117円台半ばから113円台後半へと下げ114円台半ばへ動いただけ、というには既に十分な値幅なのですがその道中ザラバの動きを見るとかなりの揺り戻しを挟みながらのドル安相場となりました。こうした動きが大きな時には、通常よりもポジションを小さめに仕切り水準(利食い、ストップとも)を大きめに置いておく方が、変にストップだけついてしまうということが無く安全策と言えます。これは最初に皆さんに注意喚起しておきたい事項です。
さて先週を振り返ると、トランプ次期大統領の会見に向けての思惑から円買いが進んだことになりますが、それ以上にここ4週間ほどポジションが円売りに傾いていたということが大きかったと思います。一例としてシカゴの非商業部門(いわゆる投機ポジション)を見ると、昨年一年間(1月〜11月)の円高の流れの中で最も円買いが膨らんだ時でも6万〜7万枚(1枚は1250万円)でしたが、ここ4週間は約8万枚程度の円売りとなっていて、大統領選開票以降、急速に円買いから円売りに転じてきたこと、そしてかなり円安のスピードが速かったにも関わらず、ポジションは減っていませんでした。
円売りの積みあがり、就任後の対日通商政策に要警戒
こうした、円売りポジションの積み上がりが会見に前後して円買いの動きとなったわけですが、大統領就任に向けもう一段のポジション調整が進んでもおかしくない状況です。というのも、先週の会見において米国の貿易赤字の相手国として中国に並んで日本の名前も出ていて、実際に赤字額自体は中国に比べて小さいものの就任後の通商対策(通商代表も強硬派が就任予定)において、日本という国名が引き続き登場する可能性を考えると、積極的に円を売る地合いでは無くなっています。
またこの週末に英国メイ首相がブレグジットに向けての流れを今日にも示すという記事が掲載されたことからポンドが全面安となっていますが、ポンド円だけでなく金融市場全般のリスクオフにつながると、これもまた円買い材料となってきます。
さらに、チャートを見ても118円台半ばで明らかに高値を付け、その後のチャートは完全にリバーサル(反転)パターンとなっていて、既に先週示した最初のターゲット(114.54)は達成しています。次のターゲット111.99までは距離はあるものの、昨年以降エコノミスト、ストラテジストを中心に株高、円安の声が大きかった(そして、それが円売りポジションを継続しやすい流れを作ってしまった)ことを考えると、状況次第ではいったん深い押しが入ってもおかしくはありません。
またこれも先週の日柄で書いたことの繰り返しになりますが、今週は本日16日にドル買いが入り、その後24〜26日にドル売りという時間帯が大統領就任式を挟んで位置しています。週初の下げ(円買い)の動きでいったんは買いも出やすいものの、下旬に向け次のリスクオフの動きがやってくると考えると、イベント、チャート、日柄の全ての辻褄が合うように思えますが、いかがでしょうか。
今週は113.00レベルををサポートに、上値は115.50レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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