ユーロ ユーロドルは引き続き下げやすい流れへ(週報10月第3週)

先週のユーロドルは週初からじり安の流れが続き、ECB理事会直後に週間安値1.0811レベルをつけました。

ユーロ ユーロドルは引き続き下げやすい流れへ(週報10月第3週)

ユーロドルは引き続き下げやすい流れへ

〇先週のユーロドル、ECB理事会直後に安値1.0811レベルつける
〇追加利下げ思惑以上に、強い米国の経済指標がユーロ動かす
〇ECB、予定通り0.25%利下げ、景気下振れリスクに言及で次回追加利下げがコンセンサス
〇12/12理事会まで、弱い材料に反応しやすい流れ続くか
〇次の下値目途、8月安値1.0777レベルから78.6%押し1.0731までの間を考える
〇今週は1.0750レベルをサポート、1.0910レベルをレジスタンスとする週を見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは週初からじり安の流れが続き、ECB理事会直後に週間安値1.0811レベルをつけましたが、追加利下げ思惑以上に強い米国の経済指標に反応したことが大きかったようです。週末に向けては買い戻しが入り、1.08台半ばに戻しましたが、週間レンジ自体は126pipsにとどまり、また先週はドル円も週間レンジが1円47銭と5月以来の狭い値幅に収まったため、ユーロ円も終盤にやや上下が見られた程度で火曜の欧州市場以降はほぼ横ばいの動きとなりました。

ユーロは予定通り0.25%の利下げが行われ、次回理事会での明確な利下げへの言及は無かったものの景気下振れリスクに言及したことで、追加利下げが現在のコンセンサスとなっています。今週は火曜水曜とECB関係者の発言が集中していますが、特にエコノミストのレーン理事とラガルド総裁の講演が重なる水曜NY前場に注意です。また景況を判断するため、木曜の一覧のPMI速報値が注目されますが、PMIだけで判断するわけでも無いので仮に強い数字が出たとしても、戻り売りのきっかけになるのではないかと考えられます。

今週は米国材料よりも連日欧州材料の方が目立ちますが、次回理事会(12月12日)までは相当時間があるため、弱い材料に反応しやすい流れは続くと思われます。また今月に入ってからユーロドルの下げは目立っていますが、シカゴの通貨先物のポジションではまだユーロ売りに転じていないことを考えると、金曜にやや買い戻しも入ったので、ここからは戻り売りを考える向きが増えてくるのではないかと見ています。

テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。

ユーロドルは引き続き下げやすい流れへ

8月・9月のダブルトップのネックラインを切ってから急速に売りが強まりましたが、それでもユーロの値幅は狭いので、ネックラインと重なる大台1.10水準からは200pips程度の下げにとどまっています。ここから多少の戻しを挟んで改めて下げる動きがテクニカルにも可能性が高い展開だと見ています。

その場合4月安値と9月高値とのフィボナッチ・リトレースメントの各水準が参考になりますが半値押しの1.0906が5〜7月の高値圏とも重なり、同水準をプルバックとして次の下値の目途を8月安値1.0777レベルから78.6%押し1.0731までの間で考えています。ということでやや買い戻された後の下げを予想し、今週は1.0750レベルをサポートに1.0910レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週のコラム

今週はユーロポンドの日足チャートを見てみましょう。

ユーロドルは引き続き下げやすい流れへ 2枚目の画像

8月高値からピンクの平行下降チャンネルの中での下げを続けていますが、9月は7月安値を下抜けての下げ、今月は9月安値を下抜ける動きとなってきていて、テクニカルにユーロ売り・ポンド買いが出やすいチャートになってきました。長期的にも2022年7月安値を下回ってきたことで、2022年安値0.8202レベルを視野に入れる展開となってきました。

なお、2022年安値を下回るとその下には目立ったサポートが無く0.80の大台を試しやすい流れになって行くため、他のユーロクロスも見て行くと面白いと思います。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

10月21日(月)
15:00 ドイツ9月PPI

10月22日(火)
22:00 ポルトガル中銀総裁講演
22:05 オランダ中銀総裁講演
22:25 英中銀総裁講演 ☆
22:45 オーストリア中銀総裁講演
26:00 フランス中銀総裁講演 ☆
27:00 フィンランド中銀総裁講演

10月23日(水)
23:00 ラガルドECB総裁 ☆、レーンECB理事講演 ☆
23:00 ユーロ圏10月消費者信頼感速報値 ☆
24:30 チポローネECB理事講演
25:00 スペイン中銀総裁講演
27:00 ベージュブック ☆
29:30 英中銀総裁講演

10月24日(木)
15:45 フランス10月企業景況感
16:15 フランス10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
16:30 ドイツ10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:00 ユーロ圏10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:30 英国10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆

10月25日(金)
08:01 英国10月消費者信頼感
15:45 フランス10月消費者信頼感
17:00 ドイツ10月企業景況感

10月27日(日)
**:** 欧州・英国冬時間に移行 ☆

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

10月14日(月)
ユーロドルは日米が3連休となり東京市場では動かず、欧州市場昼過ぎにドル円同様にドル買い・ユーロ売りの動きとなりました。ECB理事会での0.25%利下げはコンセンサスではあるものの、ユーロ売りの材料のひとつとされ、1.0888レベルまで下げた後に若干戻して引けました。

10月15日(火)
ユーロドルは小動き、ECB理事会を控えて若干上値が重たい地合いではあったものの1.09を挟んで35pipsの狭い値幅で様子見の展開を続けていました。ユーロ円はドル円が下げたこともあり、162.33レベルまで水準を下げ安値圏での引けとなりました。

10月16日(水)
ユーロドルはNY前場までは1.08台後半でのもみあい、NY市場ではドル買いの動きから1.0853レベルまで押したものの、値幅自体はECB理事会を控えてそれほど大きくはなりませんでした。

10月17日(木)
ユーロドルはNY市場まで動かず、ECB理事会では予想通り0.25%の利下げ、次回理事会での明確な方向性はデータ次第と示さなかったものの、総裁会見では景気の下振れリスクに言及し追加利下げの思惑が高まりました。しかし、ユーロを動かしたのはNY市場に入って発表された経済指標で、ドル買いの動きからユーロドルも1.0811レベルまで下押しし、やや戻して引けました。

10月18日(金)
ユーロドルはドル円同様のドルの上値が重たい動きから終日ユーロ買い戻しが続きました。NY引け間際には1.0869レベルまで上昇し高値引けとなりましたが、一日のレンジは44pipsにとどまりました。


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