ドル円 次の材料にらみつつ、目先は強保ち合いか(10/21夕)

週明けの東京市場は「行って来い」。一時ドルの下押し機運が強まったものの149円は割り込めず、結局元のレベルまで値を戻した。

ドル円 次の材料にらみつつ、目先は強保ち合いか(10/21夕)

次の材料にらみつつ、目先は強保ち合いか

〇東京市場のドル円、149.10レベルへ軟落するも底割れせず反発に転じ、16時現在149.60-65で推移
〇ドル高方向にバイアスかかるも、日本当局者の口先介入懸念もあり上値重い
〇149円台後半を中心とした一進一退が目先は続く可能性も
〇中東情勢や日米政治情勢、週末の日本の総選挙の結果が相場の波乱要因となることも
〇ドル高円安方向、150円レベルの攻防に注目、抜ければ150.32円目指す
〇ドル安円高方向、149.40レベルをめぐる動きに要注意、下回ると東京安値149.10レベルが視界内
〇欧米時間のドル円予想レンジ:149.20-150.30

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場は「行って来い」。一時ドルの下押し機運が強まったものの149円は割り込めず、結局元のレベルまで値を戻した。

週末は、北朝鮮に関するニュースが相次ぎ物議を醸す。また、日本では総選挙の真っ只中、自民党本部に「火炎瓶」が投げ込まれるという事件が発生している。ただ大事には至らず、また男の身柄もそののち確保されたようだ。
そうした状況下、ドル/円は149円半ばで寄り付いたのち、しばらくは底堅く推移。その過程のなかで日中高値149.65円レベルを示現した。そののち、日米政治情勢への懸念なども取り沙汰されるなか、リスク回避と思しい円買いも散見され、ドル/円は149.10円レベルへと軟落。しかし、底割れはせずドルは反発に転じると夕方には再び寄り付きレベルへ。16時現在では日中最高値の149.60-65円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「中東情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、ハマス幹部のハイヤ氏が、最高指導者シンワル氏が戦闘で死亡したと明らかにした。イスラエルは17日、パレスチナ自治区ガザで軍がシンワル氏を殺害したと先に発表しており、それを正式に認めた格好になる。しかしヒズボラは、シンワル氏を追悼する声明を発表すると同時に「我々はパレスチナ人への支援を続ける」と強調、戦いの継続を示唆していた。それに対しイスラエルも、ネタニヤフ首相が自身の私邸を標的にしたとみられる19日の無人機攻撃について、「ヒズボラによる暗殺未遂だった」としたうえで、「重い代償を払うことになる」と報復を宣言している。なお、それとは別に米下院議長は、イスラエルが準備しているイランへの反撃計画に関する米国の機密文書がインターネットに流出した疑いがあるとして、米政府が調査を始めたと明らかにした。

後者は、先週末に韓国情報機関が「北朝鮮兵士がウクライナ侵攻に参戦し始めた」との分析を発表し思惑を呼んだが、それに関する状況証拠ともいえる映像などが一部で取り沙汰されていた。たとえば、ウクライナ当局は72時間以内に撮影したという、「ロシアの軍事施設に到着した北朝鮮兵士」映像を公開。またテレ朝ニュースは「北朝鮮兵士が着用する軍服などに関するロシア軍の文書を独自入手」、韓国情報機関は北朝鮮軍のミサイル技術者が、ロシアの軍服姿でロシア軍人と撮ったという写真を公表し、「ロシア軍のミサイル発射に立ち会ったとみられる」との分析を発表していた。それらが仮に事実とすれば、実戦を通じ北朝鮮の軍事力向上に繋がりかねず、日本への間接的な影響も気になるところだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は前述したとおり、本日東京で149円割れをうかがうも結果的に行って来い。先週から149円をしっかり下回ることはなく、ますますドルの底堅さを感じる展開となっている。もっとも、先週一時150円を抜けたとはいえ、ドルの上値も重い。よって、ドル高方向にバイアスを掛けつつも基本はレンジ取引継続か。149円台後半を中心とした一進一退が目先は続く可能性もある。
市場の関心は日米金融政策に高く、今週も発表される米指標や要人発言には要注意。内容如何では思惑が交錯し、たとえ一時的にせよ荒っぽい変動をたどる展開もありそうだ。しかし、今週はそれとともに注視されているのが日米政治情勢、とくに週末に総選挙が実施される日本の政治情勢への関心は極めて高い。新聞など一部のメディア報道では、「自公過半数、微妙な情勢」(朝日新聞)との分析もあるなど、結果次第ではこちらも相場の波乱要因となりかねない。

テクニカルに見た場合、ドル/円はドル高方向にバイアスが掛かるも、日本当局者の口先介入などもあり上値が重い。150円台に定着も出来ていない。先週高値は150.32円、その少し手前には移動平均の90日線が位置することもあり、しっかり超えられるか否かにまずは注目だ。
それに対して、ドルの下値は本日東京安値の149.10円レベルが最初のサポートか。

本日は米経済指標として、9月の景気先行指数が発表されるほか、ダラス連銀総裁による講演なども実施される予定だ。ただ、いつもより材料は幾分少ない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.20-150.30円。ドル高・円安方向は、引き続き心理的な意味を含め150円レベルの攻防にまずは注目。抜ければ150.32円を目指しそう。
対するドル安・円高方向は、今後サポートになりそうな149.40円レベルをめぐる動きに要注意だ。下回ると東京安値の149.10レベルが視界内に。

次の材料にらみつつ、目先は強保ち合いか

ドル円日足


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