ユーロ ユーロも対ドル、対円とももみあい局面に(週報8月第2週)

先週はドル円の週間レンジが6円21銭に達したもののユーロドルは127pipsと5分の1程度の値幅にとどまりました。

ユーロ ユーロも対ドル、対円とももみあい局面に(週報8月第2週)

ユーロも対ドル、対円とももみあい局面に

〇先週のユーロドルは127pipsの値動き、ユーロ円は動くがユーロドルは蚊帳の外という状況
〇ドル円でのドル買い戻しを受け、週初に一時1.10の大台超え
〇影響の強い指標発表もなく、米国CPIとユーロ円の動きを見ながらという流れか
〇テクニカルには、8月のレンジに対する61.8%押しとなる1.0865が目途
〇今週は1.0865レベルをサポートに1.0980レベルをレジスタンスとする週を見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週はドル円の週間レンジが6円21銭に達したもののユーロドルは127pipsと5分の1程度の値幅にとどまりました。前週の6分の1程度よりはましとはいえ、為替市場では円が主役、ユーロもユーロ円は動くもののユーロドルは蚊帳の外という状況が続いています。年初来の動きを見てもドル円が21円近い値幅に対してユーロドルは400pips弱ですから、やはり5分の1程度と、最近のユーロドルは全く冴えない展開です。

先週初こそ7月高値を上抜け一時1.10の大台超えを見せましたが、ドル円でのドル買い戻し同様ユーロドルもすぐに押しが入り、短期的な高値を見た状況となりました。世界的に夏休みシーズンとはいえ、昨日でパリオリンピックも閉会したので、多少は欧州の市場参加者も戻ってくると期待したいところです。ただ、今週は日本がお盆休みでドル円の動きが鈍くなる可能性があり、そうなるとやはりユーロドルは動かないという流れが続きやすいように思えます。

米国の緩和思惑が拡大している中でECBの緩和思惑も同様に拡大していることを考えると、ユーロを含め欧州通貨の対ドルでの動きは鈍くなりがちな地合いは簡単にはかわらないのかもしれません。イベント的にも経済指標がいくつか出てくる程度でそれほど影響が強いものは無く、米国CPIによるドルの影響の方が強そうですから、米国CPIと引き続きユーロ円の動きを見ながらという流れです。

テクニカルには日足チャートをご覧ください。

ユーロも対ドル、対円とももみあい局面に

6月安値からのサポートラインと平行に引いたラインとの上昇チャンネルを引いてみると最近の高値を収まっているので、当面はこの上昇チャンネルの中での動きを考えてもよさそうです。1.10の大台でレジスタンスに接し反落する動きとなったので、現状は8月のレンジに対する61.8%押しとなる1.0865が押しの目途となります。

いっぽう上値は1.10でいったん反落したことから1.09台後半、3月高値と重なる1.0980レベルがレジスタンスです。今週は1.0865レベルをサポートに1.0980レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週のコラム

今週もユーロ円です。動きも落ち着いてきたので日足チャートをご覧ください。

ユーロも対ドル、対円とももみあい局面に 2枚目の画像

ドル円急落と同じような動きですが、数字が大きい分ユーロ円の下げの方が大きく、史上最高値の175.41レベルから8月安値の154.39レベルまで21円以上の急落を演じました。ここまでユーロ円が下げるとさすがにユーロドルは対ドルでは動きが逆となるため動きが鈍くならざるを得ないと言えますが、ユーロ円も目先の安値を見たことで現在は戻りの目途を探っている段階です。

史上最高値(7月高値)と8月安値との38.2%戻しが162.42となるため、短期的には162円台半ばがレジスタンス兼ターゲットとなって行くでしょう。サポートは先週月曜の下ヒゲを考えないと158円水準が安値圏となり、158円が短期的なサポートとなりそうです。しばらくは158〜162円のレンジをどちらに抜けていくのか見て行くこととなるでしょう。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

8月12日(月)
(特になし)

8月13日(火)
15:00 英国7月失業率
18:00 ドイツ8月景況感
18:00 ユーロ圏8月景況感

8月14日(水)
15:00 英国7月CPI ☆
15:45 フランス7月CPI
18:00 ユーロ圏4〜6月期GDP改定値 ☆
18:00 ユーロ圏6月鉱工業生産
21:30 米国7月CPI ☆

8月15日(木)
15:00 英国4〜6月期GDP速報値 ☆
15:00 英国6月鉱工業生産、貿易収支

8月16日(金)
15:00 英国7月小売売上高
18:00 ユーロ圏6月貿易収支

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

8月5日(月)
ユーロドルは多少の上下はあったもののNY市場までは買いが優勢となり、一時1.1009レベルの高値をつけ、引けにかけては1.09台半ばに押しました。またユーロ円はドル円とともに荒れ模様で東証引け直後に154.39レベルの安値をつけ、NY終値は157円台後半へと戻しました。

8月6日(火)
円相場は株式市場とともに目先の底を見た値動きとなり、ユーロドルも1.10の大台でいったん戻り高値をつけた動きとなりました。下押ししやすい展開が続き、NY市場では1.0904レベルの安値をつけましたが、値幅は60pipsにも届かず、動かないユーロに逆戻りとなりました。

8月7日(水)
ユーロドルは終日ほとんど動きが見られず値幅も32pipsにとどまりましたが、ユーロ円はドル円とともに大きく上昇。161.45レベルの高値をつけた後はやや押して引けました。

8月8日(木)
ユーロドルはNY市場まで1.09台前半をごく緩やかに上昇、NY市場では経済指標で1.0881レベルまで下げ、引けにかけては前日終値水準へと戻して引けました。

8月9日(金)
ユーロドルは終日1.0920を中心としたもみあいが続き、終日レンジもわずか21pipsと年初来二番目の狭いレンジにとどまり動意薄の夏枯れ相場となりました。


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