東京市場のドルはやや「往って来い」の状態に、円買いの動きが強まる可能性も
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、投機筋の円買いポジションが解消されたことなどから、一時143円95銭までドルは買われる場面がみられたが、一気に上げ幅を縮小する展開となった。
昨晩の海外時間では、連邦準備制度理事会(FRB)が、連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%ポイントの大幅利下げに踏み切ったほか、スタッフ予測ではさらなる利下げが想定されたため、金利低下に伴うドル売りに拍車がかかり140円台まで下落。一方、パウエルFRB議長が、経済や消費に楽観的な見解を示し、強さを保持していくと言及。さらに、「利下げを急いでいない」としたため緊急利下げ観測が後退し、金利は上昇。ドルの買戻しが強まり142円台後半まで上昇した。
東京時間でも、朝方はFOMC後のパウエルFRB議長の発言を受けたドル買戻しは継続。為替は1ドル143円95銭まで円安が加速した。米商品先物取引委員会(CFTC)公表の投機筋による円ポジションが「買い」に傾いていたことから、投機筋による円買いポジションの巻き戻しが入ったとの観測。ただ、買い一巡後は142円台半ばまで上げ幅を縮小、方向感に欠ける展開となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:142円12銭
高値:143円95銭
安値:142円12銭
終値:142円42銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円07銭
高値:159円42銭
安値:158円06銭
終値:158円72銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 96円21銭
高値: 97円33銭
安値: 96円20銭
終値: 96円96銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:187円83銭
高値:189円42銭
安値:187円82銭
終値:188円56銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:36958円93銭
高値:37394円52銭
安値:36958円93銭
終値:37155円33銭(前日比+775円16銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、ノルウェー、政策金利、前回:4.50%、市場予想:4.50%
18時00分、欧、シュナーベルECB理事が講演
20時00分、英、政策金利、前回:5.00%、市場予想:5.00%
20時00分、トルコ、政策金利、前回:50.00%、市場予想:50.00%
20時30分、欧、ナーゲル独連銀総裁が講演
21時30分、米、第2四半期経常収支、前回:−2376億円、市場予想:−2610億円
21時30分、米、9月フィラデルフィア連銀景況指数、前回:−7.0、市場予想:3.0
21時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:23.0万件、市場予想:22.9万件
22時00分、南ア、政策金利、前回:8.25%、市場予想:8.00%
23時00分、米、8月中古住宅販売件数、前回:395万件、市場予想:391万件
23時40分、欧、シュナーベルECB理事が会議出席
日銀金融政策決定会合(1日目、20日まで)
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、明日20日の日銀金融政策決定会合後の植田日銀総裁の記者会見待ちの状況となり、方向感に乏しい展開となりそうだ。
昨晩の海外時間では、一瞬ドルインデックスが2023年7月以来となる100割れの場面が見られた。現在も100.5水準で推移しており、FOMC後、ドル買いが強まっているという雰囲気は感じられない。
東京時間のドル上昇は、投機筋による円買いポジションの解消がメインだったと推測。ドルが積極的に買われたわけではないため、やや「往って来い」の状況を迎えている。仮に今晩の週次新規失業保険申請件数が予想よりも悪い数字だった際、ドルは売られる可能性もある。また、20日の植田日銀総裁の記者会見次第では、再度、投機筋による円買いポジション積み上げの流れが強まるかもしれない。流動的な地合いは継続と考える。
テクニカルでは、20日移動平均線水準をいったん捉えたが、長い上影(上ヒゲ)を形成している。16日の139円台からの反発継続に期待したいところだが、20日移動平均線が上値抵抗として意識されている様子。日足の一目均衡表では、転換線をクリアしているが、まだ右肩下がりのトレンドは継続と考える。
今晩の海外時間は、ドルの上値が重くなる状況を想定する。上値メドは143円20銭、下値メドは141円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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